暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜優しき仮面をつけし破壊者〜
オリジナルストーリー 目覚める破壊者
55話:彼のいない非日常(げんじつ)
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てるのなんて性に合わないもん」

そう言ったなのはの笑顔を見て、アリサは内心ほっと安心していた。ようやく、親友(なのは)の笑顔が見られた、と。
入院時も退院してからも、笑顔を見せる事のなかったなのはが、ようやく笑ってくれた。それだけでアリサは一安心できた。

「すずかちゃんもごめんね。皆辛い筈なのに、私ばっかり…」
「ううん。そんなのいいよ。私はなのはちゃんが元気になってくれれば、それでいい」

アリサと同じように、心の内で安心したすずかは、なのはの言葉に笑って返した。
ありがとう、と呟くなのは。その頬には再び涙が流れていた。それを見てアリサは少し驚いた。

「な、何よまた泣いたりして!」
「だって…だって…」
「あ〜もう!なんで泣くかな〜!?」
「なのはちゃん、ハンカチ使う?」
「あ、ありがとう…」

「…なのは……」
「三人はほんとに仲良しなんやな〜…」

グスッと鼻をすすりながら言うはやて。少し離れたところでなのは達のやり取りを見ていた二人も、涙ぐんでいた。

「……はやて」
「ん?何、フェイトちゃん?」

「―――…私達も、自分にできることをしよう。皆の為に…」

「…うん、そうやね」

『自分にできることを』…その言葉を胸に秘め、二人は改めて決意した。また六人で、笑顔で会うことを。

そんな五人の姿を、廊下側のドアから静かに見つめていた二つの影があった。その影は音を立てずに、静かにその場を去って行った。












―――それから半年以上が経ち…十二月。
海鳴にも雪が降り始め、もう冬なんだと実感させられる、そんな雪の日……なのはは裏山の高台へと向かっていた。

半年前のあの日、なのははリンディに捜索の参加を申し出た。
流石のリンディさんも最初は驚いたが、すぐに管理局に申請を出してくれた。管理局側も、エースオブエースの復帰は喜んだが、捜索参加にはあまりいい顔をしなかった。

色んな議論の末、怪我が完治しない間は緊急時のみ、完治してからはこちらの捜査協力が出ない限りは参加させないという、少し厳しい条件を突き付けられた。
それでもなのはは捜査に参加できるならと、それら全てを了承した。

それ以来なのはは捜査に参加し、自分の体に無理のないように管理局の仕事をこなしていた。
しかしそんななのはの頑張りも空しく、士の情報は少しも入ってこなかった。彼が生存しているのかどうかすら、管理局の情報網を持ってしても掴めなかったのだ。

だが、そんな状況でもなのはは諦めなかった。必ず士は生きていると信じて。
そんななのはに、フェイトもはやても最大限のサポートをした。捜査の手伝いや協力、別任務時には軽い聞き取りなど、二人も士の事をできる限りで探し回っ
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