暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜優しき仮面をつけし破壊者〜
オリジナルストーリー 目覚める破壊者
55話:彼のいない非日常(げんじつ)
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こっていた。
士がいなくなってから日にちを重ねるごとに、段々と笑顔になる瞬間が少なくなっているのだ。
四人もなのはと同じく、士という存在を失い、胸に穴がポッカリと空いたような感じがしていた。
いつも側にいて、それがいつの間にか当たり前になっていた日常。その五人の日常の真ん中にいたのは、紛れもなく士なのだ。五人は知らず知らずの内に、何処か精神的に士を頼っていたのだ。
「………」
そしてそんな五人の中で、一番士と同じ時間を共にしていたのは、間違いなくなのはだ。
家で朝食を食べる時も、学校に登校する時も、皆で遊んだりする時も。ほとんどの時間士となのはは一緒にいた。一緒にいた時間が長い分、その衝撃は大きいのだ。
その時、遂になのはの目から涙が流れた。頬を伝った涙は、なのはの手にあるトイカメラに落ちた。
「ッ……!」
「あっ、アリサちゃん…!?」
それを見たアリサは、表情を歪めてなのはの元へ歩き出した。隣にいたすずかは後を追うように付いていき、フェイトとはやてもアリサの動きに気づいた。
そして、アリサはなのはの隣に立って―――
「なのは…!」
「…アリサちゃ―――」
パァンッ!と、乾いた音が教室に響き渡った。
一瞬、教室内の時間が止まったかのように感じられた。なのははアリサに叩かれた頬を押さえて、目を見開いていた。
「あ、アリサちゃん…?」
「このバカなのは!いつまでそんな風にうじうじうじうじうじうじしてんのよ!」
「アリサちゃん、ダメだよ…!」
驚くなのはの胸倉をアリサは掴み、引き上げる。その後ろからすずかはアリサを止めようとするが、アリサは止まらなかった。
「あんたがそうやってうじうじしてれば、士が帰ってくるとでも思ってるの!?」
「ち、ちがう…私は…!」
「だったらそんな風にメソメソしてないで、少しは行動を起こしたらどうなの!?」
その言葉を聞いて、流石のなのはも眉を寄せた。
「私だって…私だってできればそうしたいよ!だけど…私は捜査に参加できなくて……どうしたらいいのか…」
表情を暗くさせながら言うなのは。言ってる間にも、段々と顔は垂れていき、涙が滲み出てきた。
「…私はそこら辺の事情に首を突っ込める程、わかってるつもりはないけど……だからってあんたはメソメソしてるだけでいいの!?」
「良くないよ!こんなことしてても士君は帰ってこない!それぐらいわかってる!でも…でも…!」
勢いよく上げた顔は、涙を我慢しようとしている顔だった。アリサはそれに少し驚くが、段々と弱々しくなるなのはの言葉に、またも怒りを覚えた。
「今の私には…できることが少なすぎるよ……」
側で見ていたすずかも、遠くで見ていたフェイトやはやてにも、なのはの気持ちが
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