第6章:女の決意・男の勘違い
第30話:悲しみは闇より、憎しみは作為的に
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……ロザリー様を攫ったのも……」
「何!? ロザリーが奴等と一緒に居たのか!?」
何故それを早く言わない!
「はい……居ましたが、私の襲来で……亡くなられました。私の目の前でロザリー様を惨殺され、動揺してしまった隙に目をエグられて……申し訳ございません。殺される直前まで、ロザリー様はルビーを得る為に犯されてた様子でした。勇者は強欲な人間共と共に、ロザリー様を拷問し、犯し、そして無残にも殺したのです」
「そ、そんな……ロ、ロザリー……」
俺は言葉を失った。
その場に崩れ、ただ地面を叩き、愛する者を失った悲しみに喘いでいた。
「デスピサロ様……申し訳ございません。悔しいでしょうが諦めましょう。奴の手に黄金の腕輪がある以上、進化の秘法は完成しませんし、あの男相手では我々に勝ち目がありません。エスターク様を失った我らに、これ以上の武力抵抗は不可能です」
優しく俺の肩に手を置き、諭す様に降参を進めるエビルプリースト……
だが、そんな事を認めるわけには行かない。
失ったロザリーの為にも……
デスピサロSIDE END
(デスキャッスル)
エビルプリーストSIDE
さぁ怒れ……さぁ悲しめ……
お前に残された手段はもう無い。
ただ一つを除いては……
「エビルプリースト……このままで終わらせるわけにはいかぬ! 力で勝てないからと言って引くわけにはいかぬのだ!」
そうだ、こんな簡単に諦められては困る。
「では……どうするのですか?」
「進化の秘法だ……あれを使い私は更なる進化を遂げる! 不完全な部分は、この魔瘴気で補わさせれば、多少は完全に近付くはずだ。このデスキャッスルに籠もり、私は進化の秘法でパワーアップしてやる! 時間はかかるだろうが、魔瘴気を取り込み完全なる進化をしてみせる」
そうだ、お前は手の付けられない化け物に変わり、世界を滅ぼすのだ!
滅ぼす物が無くなれば、お前は悲しみから自らを滅ぼすだろう。
そして何も無くなった世界に、私の世界を築くのだ!
「ではデスキャッスルを結界で封鎖しましょう。万が一勇者がやってくるかもしれません。四方の結界の祠から、強力な結界を張り時間を稼ぎましょう」
「やってくれるかエビルプリースト」
「勿論ですともデスピサロ様! ロザリー様を失った悲しみは私にも伝わってきます。憎き人間共を滅ぼす為、私はデスピサロ様について行きます!」
「頼む……」
憎しみを帯びた赤い目で私を見ると、言葉少なく指示を出してデスキャッスルの玉座へ座るデスピサロ。
奴等が本当に勇者なのかは判らぬが、これで世界は滅びるだろう。
私の思い描いた通りに……
エビルプリーストSIDE END
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