暁 〜小説投稿サイト〜
精霊と命の歌
Disc1
音共鳴せしギザマルーク洞窟
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のか。オレは簡単なものしか作れないな」

「ボクも少しだけしか……」

「エミル! 料理作るアル!」

「え!? 今はお昼食べてからそんなに経ってないし、今度作る機会があったら作るよ」

「ほう、それは楽しみじゃな。期待させてもらうとしよう」

「そ、そんな大した物作れないですよ?」

「楽しみだなぁ……エミルの料理」

「期待してるぜ? エミル」

「おいしい物沢山作るアル!」

「え? え? な、なんでそんなに期待されてるの!? 大した物作れないって言ったのにー!」



スキット3『何でも食べるクイナ』〜リンドブルムからギザマルーク洞窟の途中〜

「クイナって嫌いな物あるの?」

「マズい物はきらいアル」

「えーと、じゃあ食べれない物ってあるの?」

「マズすぎる物は食べたくないアル」

「……(つまり……食べられない物はないって事、なのかな……?)」



スキット4『優しいラタトスク』〜ギザマルーク洞窟内〜

どてっとビビが転ぶ音がする。

「……」

「そんなに怖がらずとも何もしねぇし待っててやるよ」

ため息をつきながらビビを立たせて待つラタトスク。

「……ラタトスクって優しいんだね」

「な!? い、いきなり何言いやがる!」

「……だって、ボク、怖がったのに……待っててくれたから」

「……別に、一人残して魔物に襲われ死んだりしたら寝覚めが悪いと思っただけだ。ほら、ぼさっとしてないで行くぞ。俺まで置いていかれる」

「……うん(やっぱり、やさしいと思うけどなぁ)」

自分の事を気にかけてくれるラタトスクの事をそう思うビビだった。




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