暁 〜小説投稿サイト〜
IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第310話】
[1/4]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
 一夏が休憩から戻る頃には、大体の客を捌ききった。

 ――というのも、やはり成樹のおかげであり、一気に一番人気になったのもあるだろう。

 次点で一夏だが、成樹との接客差で圧倒的に成樹が上回った結果、一夏もオーダー運び兼成樹がテーブルに向かえない時に頼む予備員的な立場に――。

 他だと、メイド人気は皆が好評――勿論、篠ノ之も……。

 まあ接客は壊滅的だが、前述の篠ノ之束の妹だからというのもあるからだろう。

 ……見た目は大和撫子と言われてもおかしくはないが、中身は壊滅的だからなぁ……。

 ――と、燕尾服の裾をくいっと引っ張られる。

 誰かと思ったら、鷹月さんだった。


「お疲れ様、ヒルト君」

「あぁ、鷹月さんもお疲れ様。 ……まあ、俺は疲れるほど動いてないけどな、ハハッ」

「そんなこと無いよ? 雑務班のゴミ出しもそうだし、笹川君のフォローや篠ノ之さんのフォローと頑張ってたじゃない」

「おぉぅ……そんなに見られてたか」


 照れ隠しで鼻の頭をかくと、鷹月さんはクスクスと微笑を溢す。


「ふふっ。 それはそうと休憩してきてもいいよ? 一旦お店も体勢を整えないといけないし」

「……そうだな、繁盛し過ぎて材料とかもまた運ばないとだし――てか、それだと休めないな」

「ふふっ、そこは大丈夫よ? 私がフォローするし……。 ほ、本当ならせっかくの休憩、一緒に学園祭見て回りたいけど……ね」

「え?」


 一瞬耳を疑う言葉――ハッとした表情になる鷹月さんは慌てて。


「あ……、い、今のは嘘だからね……ッ。 つ、つい口が滑ったって言うか……あはは……」


 何とか笑って誤魔化そうとする鷹月さん。


「と、とにかくさっきの言葉は忘れてね? い、一時間ぐらいなら平気だし、休憩に出てもいいから」


 頬を赤く染め、微笑む鷹月さん――追求するのも嫌だし、とりあえず忘れる事にする。


「鷹月さーん、ちょっと相談がー」

「あ、はーい。 ……じ、じゃあ後の事は私に任せてね?」


 そう言ってスカートを翻し、パタパタと慌てて雑務班の子の元に向かっていった。


「ヒルト、お疲れ様」

「ん? 成樹こそお疲れ。 ……悪かったな、せっかく学園祭を楽しんでもらおうって思ったのに」

「ううん。 僕は大丈夫だよ。 ……そういえば、拓斗君達来なかったね?」

「……そういやそうだな、どうしたんだろうか?」


 二人でそう言って気にはなるが、多分IS学園を満喫してるのだろうと勝手に結論つけた。

 ……一組以外でも出し物は沢山あるからな……確か、何処かの部活ではエアガンを使った的当てゲームとかあった筈だし。



[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ