第二章
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第二章
そしてあの背の高い男の髪型はというと。
マイケル=ジャクソンだ。衣装までそうしている。その姿で言うのである。
「マイケルに見えるか?」
「顔はともかくとしてな」
「なってるぜ」
「まんまマイケルだぜ」
「いい感じだぜ」
「そうだろ。俺はやっぱりマイケルだよ」
その彼だというのだ。
「今のアメリカも昔のアメリカもやっぱりいいよな」
「ああ。今日の演奏が終わったらな」
今度はバーでの演奏である。
「ランボー観ようぜ」
「いや、ロッキーがいいだろ」
彼等はスタローンも好きなのだった。所謂アメリカンヒーローである。
「シュワルツェネッガーもいいしな」
「本当に何する?」
「そうだな。時間もあるしな」
マイケルが言った。
「両方観るか」
「ああ、そうだな」
「そうするか」
そんな彼等だった。とにかくアメリカを追い求めていた。
その彼等だが普段の仕事もだった。アメリカだった。
仲間でレコードショップをやっている。その店もまたアメリカの音楽ばかりだった。
「あれっ、専門店?」
「アメリカンポップスの?」
「ポップスだけじゃないよ」
カウンター、やはり派手な、マクドナルドを思わせる赤と黄色のそのカウンターからアフロが客達に言う。その店はどういうものかをだ。
「ちゃんとロックもあるさ」
「あっ、本当だ」
「他には」
「アメリカの音楽はポップスやロックだけじゃないんだよ」
アフロは笑いながらこうも話すのだった。その店がそのままアメリカの音楽だというのである。
「他にもあるさ」
「ああ、ジャズとかラップとか」
「ゴスペルも」
「他にもあったよね」
「民謡だって凄いんだぜ」
アフロは笑顔のまま話し続ける。
「アメリカはな」
「じゃあどの音楽にする?」
「それじゃあ」
「何がいいかな」
「何でも好きな音楽を選びな」
これがアフロの彼等への言葉だった。
「どれも視聴していいからな」
「それじゃあそうさせてもらって」
「ああ」
「それで選ぶか」
「そうするか」
「ああ、そうしたらいいさ」
また彼等に話すアフロだった。こうして彼等はだ。アメリカを追い求めていた。そしてアメリカの音楽を演奏し続けていたのだ。
それで満足していた。しかしだった。
ふとだ。店のマネージャーがこう言ったのであった。彼等のバンドのマネージャーでもある。その彼がこう五人に言ったのだ。
「最近だけれど」
「最近?」
「最近って?」
「どうしたんだよ、マネージャー」
「面白い音楽を聴いたんだよ」
こう彼等に話すのである。
「日本のさ」
「日本?あの国の?」
「あの国のかよ」
「そうさ。あの日本のだよ」
その国の音楽をだというのだ。
「聴いてみ
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