第一章
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第一章
悪役じゃない
ボオ=グライシー、誰もが言うそれこそ堂々たる悪役レスラーである。
スキンヘッドにでっぷりと太った巨体、それに先の尖った靴に様々な凶器を使った反則攻撃、理想的とさえ言える悪役レスラーだ。悪役レスラーといえばブッチャーだとだ。誰もが思うし言う程である。
その彼だがだ。プロレスファン達の間で悪名が高いかというと決してそうではない。そのことにだ。
プロレスファンでない者が首を傾げさせた。何故あそこまで悪逆非道の限りを尽くしている人間の悪名が高くないかだ。それが不思議だった。
それでだ。彼はだ。プロレスファンにその理由を聞くのだった。
「何で皆グライシーを悪く言わないんだい?あんなに悪い奴なのに」
「それは試合を観ればわかるさ」
これがプロレスファンからの返答だった。
「試合を観ればね」
「そうなのかい?」
「まずは試合を観るんだ」
プロレスファンの言葉だ。まさにだ。
こうしてだ。彼はその誘いを受けてプロレスの試合を観ることにした。その試合はジャントニオ猪場とグライシーの試合だった。非常によく戦ってきた言うならば宿敵同士の対決とも言えるカードであった。
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