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少年と女神の物語
第四十四話
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こうも武双君との戦いの準備をしてくると考えていいでしょう」
「となると、これから訪れるところはアイツにとっての土地だったり、アイツが探してるやつの土地だったりするわけですか・・・」

 情報の選別が面倒くさそうだなぁ・・・

「はぁ・・・どうしますか、梅先輩?そう考えると、またどこかに行くでしょうし、何より日本全体に出没しかねませんが」
「そうなったらそうなったです。委員会には何があっても対応できるように言っておきますよ」
「よろしくお願いします」

 一応、いつでも対応できるようにしてもらっておいた方がいいだろう。
 日本に護堂がいるならともかく、アイツは今ミラノだし。まあ、俺の獲物をくれてやるつもりなんて毛頭ないけど。

「・・・武双君、今連絡ついでに情報が入りました。聞きますか?」
「聞きましょう」

 また、早い段階で情報が入ったなぁ・・・

「大阪から人を強制的に避難させておいて正解でしたよ、全く」
「そんなことしてたんですか・・・」

 結構な大都市のはずなんだけどなぁ・・・大阪。

「で、入った情報なのですが、道頓堀川で神獣が・・・鬼が現れたそうです」
「鬼、ですか・・・」

 また、新しい情報だな・・・鬼、か。

「これで向こうが召喚した神獣は、鳥獣、昆虫、そして鬼ですね」
「はい・・・恐らくですが、あの昆虫は蛾と見て言いと思いますよ」
「蛾、ですか・・・」

 と言っても、これでどこまで絞れるのかは分からないけど・・・



◇◆◇◆◇



「・・・ねえ、梅先輩。こんなに鬼がいるなんて聞いてないんですけど」
「私も聞いていませんよ」

 そこでは、鬼が川にいた。
 いや、そんな表現はおかしいか・・・鬼が、川辺を埋め尽くしていた。

 川が何か特別なのかと思って見てみても、特に特別なところはない。
 ゴミを誰かが流したのか、箸とか缶とかペットボトルとかお椀とかプリントとかetcetc・・・。川の汚染が進んでるって、本当なんだなぁ・・・

「・・・とりあえず、こっちを睨んできていますけど・・・」
「そうですね・・・この量を相手にするとなると、さすがに権能を使わないとなぁ・・・」

 俺と梅先輩は橋の上にいるわけだけど、橋の下の前からも後ろからも鬼達がこっちをにらんでいて・・・橋の上まで跳んでくるやつもいる。

「はぁ・・・失礼します、梅先輩」
「え・・・きゃ、」

 この場から動きながら戦ってもいいように、梅先輩を横抱きにしながら言霊を唱える

「わが内にありしは天空の雷撃。社会を守る、秩序の一撃である!今ここに、我が身に宿れ!」

 肩当と杖が現れ、それを持ちながら跳んで上から鬼達に雷をぶつける。

「ちょ、武双君!?
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