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魔法少女リリカルなのは 〜黒影の死神〜
『第三十五話』〜夕方の買い物〜
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う拓斗君。


――ドキッ!


 その笑顔に心臓が跳ね上がる。


「な、ならお願いしようかな?」

「はい、了解しました」


 こうして私は拓斗君に家に送ってもらうことになった。










「そう言えば、死神の事って私と恭ちゃん、お父さんの三人しか知らないの?」

「あと、忍さんを含めて4人ですね。あまり他言していいような内容ではないので」

「まぁ、死神だって言いふらしても殆ど信用しないだろうね〜」

「あはは…その通りでしょうね……」


 普通に話してはいるが、さっきからドキドキしっ放しだった。学校の男子と話してもこんな風にはならないのにな……


「あ、あのさ……」

「はい? なんですか?」

「敬語…なくしてくれないかな?」

「え? タメで話せってことですか?」

「うん。年下なんだけどさ、拓斗君に敬語使われると何だかこそばゆくって」

「ですが……」

「お願い、拓斗君」

「うーん……分かったよ美由紀さん」

「名前も!」

「え? 名前?」

「出来れば、さん付けもなくしてほしいな」

「そんじゃ…これでいいか? 美由紀」


――ドキッ!!!


 拓斗君に名前を呼び捨てで呼ばれた瞬間、心臓が爆発したんじゃないかと思うほどの大きな音をたてた。

 もしかしたら拓斗君にも聞こえたかもしれない。


(どうして? …なんで名前を呼ばれただけでこんな……)

「美由紀? お〜い、大丈夫か? 顔が赤いけど……」

「へ!? だ、大丈夫大丈夫! 何でも無いから!!……あっ! もう近くだから此処でいいよ!!」


 その時ちょうど翠屋が見えて来たので拓斗君にそう言う。


「ん、そうか。じゃあ俺は帰るな」

「うん、またね」

「あぁ、またな」


 去って行く拓斗君の姿が見えなくなるまで、私は店の前に立ち続けていた……










その後……


月詠宅

「はぁ…やっと着いた……」

[子供の姿でも、大人の姿でも巻き込まれるとはな……]

「なんでこうなるんだよ……」

[俺が知るか……お前、しばらくは大人状態にならない方がいいな]

「同感だ……」










高町宅

「はぁ……」

(拓斗君の大人の姿…カッコ良かったなぁ……///)

士「どうしたんだ美由紀のやつ?」

桃「帰って来てからずっとあの調子なのよね」

な「お姉ちゃんどうしたの?」

美「ふぇ? なのは、どうしたの?」

な「それはこっちの台詞なの! 誰かと何かあったの?」

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