『第三十五話』〜夕方の買い物〜
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」
――ブワッ!
「「「「「「「ひっ!?」」」」」」」
恭ちゃん……いや、お父さんを大きく上回る程の殺気を出すその人の言葉に、男達は短い悲鳴をあげ、その恐怖から体を震わせ始めた。
「ッ………///」
目の前の男性が年下の男の子だと分かってるのに、私は彼の鋭い瞳に、その綺麗な髪に、見惚れてしまった。
「十秒やる。俺に喧嘩を挑むか、この場から失せるかさっさと選びな。俺は早く家に帰って夕食作りの続きをしたいんだ」
「え? ……夕食?」
「あぁ、夕食だ」
私の言葉に律義に返してくれる拓斗君。
もしかしてなにかを切らしてたのかな?
「「「「「「「……っざけんなぁぁぁぁぁぁぁ!!!」」」」」」」
「拓斗君!」
叫び声をハモらせながら残った不良が一斉に突撃してくる。
私は思わず目を瞑ってしまう。
「だから、力量差を見極めろって…」
――バキ、バキ、バキ、バキ
「…満足したか?」
「すご…完勝だ……」
打撃音数発。
私が目を開けると、全ての不良が倒れていた。
「ま、不良風情じゃこの程度だよな…大丈夫でしたか美由紀さん?」
「大丈夫。助けてくれてありがとね」
「気にしないでください。…さて、残ってるのはお前だけだが、如何する?」
拓斗君が最初に投げ飛ばした不良に問いかける。
口調こそ静かだけど、其処には確かな『怒り』が内包されていた。
「ち、畜生…覚えてやがれ!」
で、言われた不良は仲間を放って逃げ出してしまった。
「うわぁ…分かりやすい捨てセリフ……」
「捨て台詞とは…
1つ 負けて悔しいほうが吐く。
2つ 言ってから、もっと良いセリフを思いついて後悔する。
3つ 単純だろうと複雑だろうと言われた方は3日もあれば忘れる。
だと俺は思うんですがどう思います?」
「同感。にしても本当に強いね〜」
まさか7〜8人を瞬殺しちゃうなんて思わなかった。やっぱり私とは比べ物にならないくらい強いんだな。
「まぁ、恭也さんや美由紀さんとは比べ物にならないくらい弱かったし。あの程度に負ける気はしないですね。にしてもコイツ等どうします? さっきの奴逃げちゃったし……」
「放っておいて良いんじゃないかな? 気付けば自力で帰るだろうし」
「確かに。じゃ、帰りますか? 送って行きますよ?」
「いいの? 夕食作らないといけないんじゃないの?」
「いいんですよ。夕食なんて遅くならなければいいんですから」
そう言っておどけるように笑
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