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とらっぷ&だんじょん!
第一部 vs.まもの!
第2話 さいしょのなかま!
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な人と一緒になんていたくないの!」
「あなたらしくない言い方ですね」
 クムランは思慮深い視線をくれるが、ウェルドは肩を軽くすくめるにとどめた。
「でも、あたしは……」
「ノエルさん、あなたはもっと色々な人と接するべきです。人は自分を映す鏡です。いろんな人と接し、自分の内面や考えを見つめ直す事は、学者にとって必要な姿勢です」
「でも……」
「それに、昨日言いましたね。自分の足を使って、自分で汗を流してこその研究だと。自分の殻に閉じこもってばかりいては、新たな発見はありませんよ」
「……」
 ノエルは委縮し、上目遣いにウェルドを一瞥すると、その目をまた伏せてしまった。
「ウェルドさん、ノエルさんを悪く思わないであげて下さい。この子は少し照れ屋さんなんです」
「別に悪くなんて思いませんよ、俺の故郷にも同じような奴がいましたから」
「さ、ノエルさん」
 ノエルは本をぎゅっと抱いて、ウェルドに二歩、三歩と近付いた。
「わかった……クムラン先生の言う通りにするわ」
 そして、真正面からウェルドを睨みつけるや
「勘違いしないでよ! あたしは先生が言うから、あなたについてってあげるだけなんだから!」
 背後で、扉が開いた。
 大きな男が逆光を浴びて立っている。
「おう、やっぱりここにいたか」
「バルデスさん、珍しいですね。ここにいらっしゃるなんて」
「少し、新入りどもに話があってな。上がらせてもらうぜ」
 バルデスが扉を閉めると、目もくらむような陽光が消え、部屋はまた暗くなった。バルデスは背中の剣をおろし、適当な椅子を引っ張って来て腰かけた。
 ウェルドとノエルは並んでバルデスの前に立った。
「ウェルド、ノエル。お前らは遺跡の研究に来たんだったな」
「ああ」
「てなると魔物を調べたり、地下の財宝について調べるのも目的の内って事になるな」
「……まあ、俺はそれも含まれるけど」
 ノエルを横目で見るが、何も反応しなかった。
「話ってのは?」
「お前らに仕事の斡旋だ。なに、新入りに任せる程度だ、大して難しくもないさ」
「聞かせてくれ」
「『子竜の宝珠』って宝物を持って来てほしい」
 バルデスは単刀直入に言うと、一呼吸ぶん間を空けた。
「遺跡の一番浅い層にいるケイプバイパーってトカゲの化け物が体内に持ってるお宝だ。だが手に入れるのが面倒でな。ケイプバイパーは一つの核から生まれる生き物だ。その核が同胞の生死を感知する。で、その最後の一匹が、死の間際に体内で分泌し固まった物質が『子竜の宝珠』って呼ばれるお宝だ」
「つまり、その財宝を手に入れる為にはケイプバイパーを全滅させなければならないと?」
「そういう事だ。お前らには十日以内に……だができるだけ早くこれを持ってきてほしい。ともかくこの宝珠が貴族どもに高く売れるん
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