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とらっぷ&だんじょん!
第一部 vs.まもの!
第2話 さいしょのなかま!
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ら、別の女が駆けてきた。鎧と呼べるものは身に着けていない。肩当てと手甲だけを防具として着用した、しかし、腰に佩(は)く細剣で明らかに高貴な身分とわかる女だった。波打つ豊かな黒髪に、優しい光を湛えた黒いつぶらな目。彼女は憂いに満ちた視線を、去りゆく鎧の女の背に投げかけた。
「何だぁ? 今の女。感じ悪ぃ」
「あなたは昨日の……」
 細剣の女はウェルドの目を見据えると、そっと一礼した。
「昨日、危ういところを助けて下さった――」
「ああ、自己紹介がまだだったな。俺はウェルド」
「エレアノールと申します。彼女はレイア」
 と、エレアノールは顎を外の通りに向けた。
「ゆっくりとお礼を述べる事もできず、申し訳ございません。彼女を追わなくては」
「どうしたんだい」
「あの人は、すぐに遺跡に行かなければ気が済まないと……私は一人では危険だと止めたのですが……」
「優しいんだな」
 ウェルドは半ば呆れて肩を竦めた。
「だったら早く行ってやった方がいいぜ」
「ありがとう。感謝します、ウェルド」
 気高さを感じさせる声だった。エレアノールはまっすぐ伸びる通りを、背を向けて駆けて行った。
 眩しさに目を細めながら見送っていると、大きな声であくびをしながら歩いてくる者がいる。
「おっはよぉう」
 馬車の中で見かけた覚えのある、青髪の少女だった。胸もとで揺れる小さな首飾りが、猫のような二つの目と相まって、取りつけられた鈴のように見える。
「おはよう……って、あんた誰だっけ? ごめんごめん、あたし人の名前覚えんの苦手でさ!」
 少女は屈託なく笑った。
「……も何も、まだ自己紹介済んでないだろ?」
「あれ、そうだっけ?」
「俺はウェルド。セフィータから来た。あんたは?」
「あたしはジェシカ、バイレステから来た泥棒だよ!」
「どろぼぉ?」
「そっ。でもだからってケチな空き巣狙いなんかと一緒にしないでよね。あたしが狙うのは貴族どもとか腹黒い商人どもとかなんだからさ。義賊様ってやつ?」
「……義賊様が何しにカルスの棺桶に来たんだ?」
「そりゃもちろん、でっかいお宝があたしを待ってるからに決まってるっしょ! あんたは? あんたもお宝狙い?」
「ちげぇよ。研究の為だ」
「研究? って、あんたもしかして学者なの!? その顔で!?」
「うるせぇっ」
 ジェシカは高い声で朗らかに笑った。
「ごめんごめん、あんまり意外だったからさ! あんた、今から遺跡に行くところ?」
「ん? ああ、もうちょっと後でな」
「そっ、あたしは今から一稼ぎしに行くところなんだ。あんたも後で様子を教えてよ」
 そうして彼女も走って行こうとする。
「待てよ」
「なに?」
「あんた、一人で行くつもりか?」
「ん〜。ホントは昨日、シャルンと行く約束してたんだけ
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