ターン2 鉄砲水と変幻忍法
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白いこと言ってくれるじゃないの。
そいつは急に話に割り込んできた僕に一瞬ビビったようだったが、僕の制服を見てすぐににやにやと笑みを浮かべた。一瞬何がそんなにおかしいのかわからなかったけど、去年前半でのオシリスレッドの扱いを思い出してやっと納得がいった。僕と十代が昇級を蹴ったり万丈目がいきなり入ってきたりで色々あったながらも実力を認められて最近それなりの対応をされるようになってたからすっかり忘れてたけど、そういえば元は落ちこぼれ寮という触れ込みだったんだよねあそこ。おそらく去年以前の前評判だけ聞きかじってたクチなんだろう、きっと。
「けっ、先輩だか何だか知らねーけどよ、俺はちゃんとしたアンティルールでこの宵闇を手に入れたんだ。返したりなんかするもんかよ」
ったく、自分からそんな念押しするってことは悪いことしてる自覚があるってことなんだよ。それが分からないうちはまだまだだなあ、なんてことを思いながら口を開く。
「なら、後輩さん?僕とデュエルしようか。もちろんアンティルールで、ね。あいにく僕も宵闇は持ってないんだ、ちょうどいいからもらっておこうかな」
「んなっ!?ふざけんなよ、だいたいオシリスレッドなんかがアンティに釣り合うようなカードもってるわけ……」
「(ねーえチャクチャルさん、お願いがあるんだけど?)」
『……了承。ただしこの一戦、例え貴方がもう1度死んででも勝ってくれ』
本人の許可をもらい、地縛神のカードをサッと目の前に突き付ける。このカードは世界にこの1枚しかないはずだ。つまり、アンティの条件としてこれ以上のカードはほかにない。これなら間違いなく乗ってくる、と読んでの行動である。
「な、馬鹿な、俺の知らないカードだと!?いったいそんなカードどこで………今日の俺はついてる!」
そして案の定、一発で乗ってきた。とはいえリスクは高い。こっちもチャクチャルさんを賭けに出した以上、何が何でも勝たなくっちゃね。
「「デュエル!!」」
僕が先行なのを確認し、初期手札をざっと眺める。これは………僕の勝ちたい思いにデッキがそのまま答えてくれたんだろうか。だとしたらありがとう、皆。遠慮なくその力を使わせてもらおうか。
「スター・ブラスト発動。1500ライフを払うことで、手札にいるシーラカンスのレベルを7から4に下げるよ。んで、レベル4のシーラカンスを通常召喚」
自分のライフを500単位で払うことで手札か場の自分モンスターのレベルを1ずつ下げていくカード、スター・ブラストの効果で速攻召喚されたシーラカンス。なんだかいつもよりその後ろ姿に気合が入っているように見えるのは、たぶん気のせいじゃないだろう。それを肯定するかのように、アカデミアの廊下にシーラカンスの雄叫びが響き渡った。
………もうちょっ
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