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魔法科高校の神童生
Episode23:アホの娘
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「…なにかあったのですよね?」

「先輩っ、近いです」

いつの間にか席から立ち上がって目の前に立っていた市原先輩に思わず仰け反ってしまう。少なくない付き合いの中で、この先輩がこういったことへの恥じらいをあまり持たないのは知っていたけど、まだ対処に困ってしまう。

「ああ、すみません。それで、なにがあったか話していただけますか?」

「……学校の敷地内に正体不明の魔法師が侵入していました」

取り敢えず、あのアホの娘が大亜連合の軍人だということは伏せておく。幾ら『生徒会会計』という肩書きを持っていても、この事実を知らせるには物足りない。

大亜連合の魔法師が校庭に侵入していたともなれば、国家レベルの問題になる。俺には、この学校の生徒達を戦争に巻き込む気はない。

「魔法師が侵入?この学校にですか?」

市原先輩が驚くのも無理はない。ここ、魔法大学付属第一高校はなにかと機密記録が多く保管されていたりする。だから、それらを保護する為に本校の生徒以外の許可なき入校は禁じられている。

例え外壁を乗り越えて侵入しようとしても、監視カメラなどですぐにバレてしまう。そしてその後は、職員に囲まれてあっという間に捕縛だ。

けど、あの女は監視カメラにバレることなくこの学校へ侵入してきた。アホの娘なのは確かだろうが、魔法師としての腕は確かなようだ。

「実際にこの目で見ているのでそれは確実です。女の目的は…監視ですね」

「…なるほど、壬生さんたちの組織がブランシュなどに裏から操られていると仮定すれば、確実に計画を実行しているのかを監視することは十分にあり得ますね」

流石は市原先輩。頭のキレが良すぎてびっくりした。

「ええ、まったく…これから厄介なことになりますよ」

「本校の生徒に被害が出なければいいのですが」

現状を再認識して、俺と市原先輩は揃って暗い顔をしていた。























ーーto be continuedーー




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