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魔法科高校の神童生
Episode23:アホの娘
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「魔法大学付属第一高校1-B所属、九十九隼人だ」

「後丁寧にどーも。あたしは大亜連合特殊工作部隊所属の龍舜華だよ」

「な、大亜連合!?」

まさか、ブランシュに協力している組織が大亜連合だとはとてつもないくらいの驚きだ。流石にここまで予想していなかった。

ていうか、やはりこの女は馬鹿らしい。ここまでアッサリと自分の素性を明かす人間が軍人とは、笑わせてくれる。俺ですら、暗部九十九家ということは明かさなかったのに。
あ、コレ言っちゃいけないんだっけ?とか言っている辺りもう確実に馬鹿だ。

「おい馬鹿」

予想外の敵が出現してきたとはいえ、ここで焦るほど俺は場数を踏んでいないわけじゃない。取り敢えず、今日のところは引き取ってもらおう。ここからの対策は、後でじっくりと練るべきだ。

「ば、馬鹿ァ!?お前、一応あたしは初対面だぞ!?」

「うるさいよ、あんたはここに何しにきた。それだけを答えてくれ」

「お前、あたしと対して年変わらない癖して黒い性格してんなぁ……まあいいや。あたしの今日のとこの任務は奴らがキチンと仕事をしているのかの監視だよ」

やっぱこいつ重度の馬鹿だ。ペラペラ情報を喋ってくれるから本当に助かる。話は進まないけど。

「それならもう終わったんじゃないかな?あんたらの思い通りになったと思うよ」

「おお、本当か!?」

あんたらの作戦なんて知るか。

「うん、だからもう帰っていいんじゃないかな?俺だってこれ以上ここにいたら先輩に怒られるし」

「そっか、それは悪かったな。じゃ、今日のとこはあたし帰るわ!」

「うん……二度と来るな」
「え、なんて?」
「なんでもないよ、早く帰りなよ」

こちらに大きく手を振って、龍舜華と名乗った女は学校の敷地からグングンと遠ざかっていった。

「ふう、馬鹿で助かった。さて、渡辺委員長にはどう説明するかなぁ…」

俺にできる最短であの女を帰らせることができたわけだけど、端末に表示されている時刻では招集がかかってから既にかなりの時間が経ってしまっている。

流石に、もう事後だよなぁ。絶対怒られるよなぁ。説明めんどくさいなぁ。

「ハァァ…」

深く溜息をついて、俺は壁を垂直に歩いて校舎に戻るのだった。





















「あ、九十九さん。渡辺委員長が呼んでましたよ」

「う…了解です」

市原先輩に声をかけられて、やはりかと肩を落とす。

あれから急いで放送室に向かったものの予想通りそこはもぬけの殻で、取り敢えずどうすればいいのか判断がつかなかった俺は生徒会室に来ていた。予想通りというか、覚悟はできていたのだが、怖いものは怖い。


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