暁 〜小説投稿サイト〜
魔法科高校の神童生
Episode23:アホの娘
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なるべく気づかれないようにガラス窓に手をかける。
相手は恐らく魔法師。ブランシュは非魔法組織であまり魔法師はいないという情報だったけど、どこかから雇ったという可能性もある。用心するに越したことはない。
敵は今はこちらに背中を見せている。

「行くなら、今っ」

一気に窓ガラスを開け放って、宙に身を躍らす。自然落下していく途中で、校舎を蹴って男に接近。
手加減は無用。一撃で終わらせる。

「フッ!」

首筋に向けて全力で拳を振り抜く。当たれば確実に意識を刈り取れる威力、だが、ガギンッ!という金属音が響くのと同時に俺の拳は黒い鞘に遮られた。

「いきなりとはご挨拶だね、少年A」

「くっ!?」

軽薄そうな声音が聞こえた途端、俺の体は風圧で吹き飛ばされた。なんとか空中で体制を整えて着地をする。

奇襲は失敗か、最悪だな。今の攻撃、俺は完全に気配を殺していた。それなのに俺の攻撃に気づいて、更に完全に防御するとなると、かなりの手練れだ。

「貴方は誰ですか?この学校の関係者ではないですよね?」

「おー、悪い悪い。確かにあたしはこの学校の関係者じゃないけどよ、仕事だから見逃してくれや少年A」

「誰が少年Aだ。一応、ここは部外者は立ち入り禁止です。用事があるのなら学校側に連絡がいっているはずですが…確認しましょうか?」

まったく、こっちは急いでいるというのに。先輩にドヤされたらこいつのせいだ。

というか、こいつが学校側に許可なんて取ってるわけがないのは見え見え。懐からスッと通信端末を取り出すと女は目に見えて慌てた。

「ちょっと待て、いや待って下さい。うん確かにあたしはこの学校に許可なんて取ってないよ?けど仕事なんだから仕方ないじゃん?見逃してくれよー」

「貴方は頭が悪いのですか?仕事って言えばなんでも通るわけじゃないんですよ。それよりも質問です」

なんだか急に面倒臭くなった。この女が余りにも馬鹿な事を言うからだろうか、会話のペースが掴めない。

だったら、なるべく早く要件を済ませてしまおう。今回の目的はこの女の素性を知ること。拘束は二の次、殺害、戦闘の必要性は低い。

「貴方は、ブランシュか?」

「は?」

女の目が、点になった。
あれ、違ったのかな?

「ブランシュ?あの非魔法組織の?違う違う、確かに今はそいつらに協力してっけどあんな臆病者共と一緒にしないでほしいね」

やはり、ブランシュは外部から魔法師を雇っていたのか。よほど今回の作戦に力を入れているように見える。

「ふぅん、なら、あんたはどこの組織の人間だい?」

「人に名乗らす前に、自分から名乗るのが礼儀ってもんじゃないのかねぇ」

……こいつ、本当に面倒臭いな。話が全然進まない
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