暁 〜小説投稿サイト〜
魔法科高校の神童生
Episode23:アホの娘
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絞りをミスったのかな?」
「無駄に冷静だよね隼人」
「無駄とはなんだ無駄とは」

今の大声のせいで多くの生徒が慌てふためいている。まあ、そりゃそうだろう。普段あまり使われることのないスピーカーからいきなりこんな大声が飛び出してくるのだから。

『ーー失礼しました。全校生徒の皆さん!』

「やっぱミスってたね」
「隼人って無駄に冷静よね」
「なんだエイミィまで」

少し決まり悪げに先ほどと同じセリフがスピーカーから流れる。
騒ぎに乗じてすすす、と俺達の側に移動してきたエイミィとスバルと紅葉…そういえばスバルって姉さんと名前同じだ。

三人とも帰宅する寸前だったのだろう。各々鞄を手に持っている。けどまあ、こんな騒ぎが起こっちゃあ帰るわけにはいかないよね。

『僕たちは、学内の差別撤廃を目指す有志同盟です』

「…有志……」

ああ、この間壬生先輩と達也の会話を盗み聞きした時に聞こえてきた「待遇改善要求」のための組織か。

『僕たちは生徒会と部活連に対し、対等な立場における交渉を要求します』

「へえ、思い切ったことするんだねこの有志同盟ってやつは」
「不謹慎だけど、面白そうなことになってきたわね」
「エイミィってホントにこういう事件好きよね」

上からスバル、エイミィ、紅葉の順に笑みを浮かべながら和やかに談笑する。そのお陰か、少なくともこの教室内でのパニックは解消されたようだった。

「隼人、行かなくていいの?」

「ん?ああ、そうだね。放送室を不正利用してるんだ、そろそろお呼びだしが、っと丁度来たね」

内ポケットの携帯端末にメールの着信を確認して、俺は座っていた席から立ち上がった。

「んじゃ、ちょっと行ってくる」

『いってらっしゃーい』

……流石に緊張感がなさすぎるんじゃないかな。


















招集のメールが届いてから移動を開始した俺は一人で別館にある放送室へと向かっていた。というか教室から放送室って無駄に遠いんだけど、やめてほしいなあ。渡り廊下を通らないといけないなんて面倒くさいにも程が……

「中庭に、誰かいる?」

走っている足を止めて、ガラス越しに見える中庭を覗く。入学式の日、俺が達也と七草会長と初めて出会った場所に、一人の女が立っていた。

「制服を着てないってことは、部外者?」

なんでこんなタイミングで…いや、待てよ。
この事件の主犯である有志団体は、裏でブランシュが操作している可能性が高い。あの女がもしブランシュの構成員なのだとしたら、監視にきたのか、それとも混乱に乗じてなにかを仕掛けにきたのか。

「放っておくわけにはいかないか。ったく、後で委員長にドヤされるじゃないか」
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