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犬耳と獅子耳
犬耳と獅子耳

前書き [1]後書き
朝起きると、耳が生えていました。いえ、耳があるのは当たり前であって、だからおかしい事はないと思いますよね?

違うんです。ふざけている訳ではなくて、僕の頭に…いわゆる「犬の耳」が生えていたんです。さすがにそのまま学校に行くわけにもいかず、でも部活には行きたいし…と悩んでいたら、携帯に着信が。表示された名前は「火神くん」。

「まさか…ね」

恐る恐る通話ボタンを押し「…はい…?」と答えると――――。

「おい黒子、朝早くで悪いんだけどさ、俺の頭にライオンみてぇな耳が生えてるんだ。すごくね!?」
「奇遇ですね、僕の頭にも犬らしき耳が生えていました」

テンションの高い火神くんのお出ましです。いえ、かわいいにはかわいくて結構なんですが、朝から大きな声で叫ぶのは勘弁してほしいというか…。だって犬の耳ですよ? 酷くありませんか?

まあそういうわけで冷静に返すと、「マジかよ…これってバスケ部みんな生えてるとかそういうパターンじゃね?」と、落胆した声。

「いや、知りませんけど。でも、そうだったら大丈夫かもしれないですから、学校に行きましょう。降旗君とかに聞けば分かるかもしれません」
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