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lineage もうひとつの物語
オーレン戦役
タラス
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当たりをしバランスを崩したアイスクイーンに右手を当て至近距離でサンバーストを唱えた。
脇腹にサンバーストを受けたアイスクイーンは痛みに怯むことなく杖でケレニスの右腕を叩く。

「ヴァンパイアリックタッチ」

ケレニスから巨大な手が出現しアイスクイーンに向けて伸ばされ避けようと体を捻るが肩の部分が僅かだが触れてしまった。
途端に体力を奪われアイスクイーンは重力に引かれ落下していった。
体力を奪ったケレニスは叩き折られ本来曲がらない方向に曲がってしまった右腕を回復させ後を追うように高度を下げていった。


下でケレニスとアイスクイーンの戦いを見ていたタラスはアイスクイーンが落下するのを見て戦慄した。
絶対的な魔力を持つアイスクイーンが負けるなど考えたことすらないことだったのだ。
アイスクイーンが死んではいないとはいえ今敵にこちらを攻められると一瞬で落ちてしまうだろう。
それはノイマンも同じだったようで即座に門を閉ざすようタラスへ進言した。

「タラス殿!あれに攻められれば終わりです!籠城しましょう!」

タラスはアイスクイーンを助ける算段を考えていたがノイマンの言葉で現実に引き戻された。
空中にいる敵がくるまでにゾンビ達を押し返しアイスクイーンを助けるなど間に合うはずもない。
それができるならここまでの間にゾンビ達を駆逐できている。

「わかりました。門を閉ざして籠城しましょう」

ノイマンが部隊に門を閉ざすよう指示を出したとき部隊とゾンビの間にローブを纏った女性が降り立った。
それと同時にゾンビの進撃も止まっている。
邪悪な魔力を放つ女性に近くにいた戦士が斬りかかるが一瞬にして炎に包まれ息絶えた。
それを見た周りの戦士達は動けなくなっていた。

「何者だ!」

ノイマンは震えを堪えるように声をかける。

「ケレニス・・・」

タラスが驚いたように呟き一歩前に出た。

「ごきげんようタラス様。突然で申し訳ありませんが少しだけ痛い思いをしていただきます」

させるか!とノイマン達は斬りかかるが吹き飛ばされ意識を手放していく。
不敵に笑うケレニスに死を覚悟したタラスは何も言わず睨み付け会話石でアイスクイーンに語りかけた。

『今は逃げ機会を待て』

返答はなかったが確実に伝わったはずだ。
自分が死ねば次はアイスクイーンに襲いかかるだろう。
ノイマン達を相手にしていないのがわかるのだ。
少しでも時間を稼ぎアイスクイーンが逃げる時間を作る。
そのためだけに最後の悪足掻きと杖を構え魔法を繰り出す。

「コールライトニング!」

流石は校長ということはあってかアイスクイーンに及ばないもののその魔力は強力だ。
電撃がケレニスに直撃し右側面に回り込みながら更に魔法を繰り出す。
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