アリシゼーション編
episode1 隠された真実
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セントも思いません」
そんな俺の思考をごまかすように茶化すのは、ミオン。
彼女は仲間内では唯一といっていい、仮想世界のアバターとで外見が大きく変わる人間だ。仮想世界ではいかにも司令官然とした切れ者の女アバターを操る彼女だが、現実ではとにかく地味だ。眼鏡もあっちのやり手の細レンズとは違って縁の太い目立たないもので、服装も白のブラウスと紺色のロングスカート。
(……こんな娘がねえ……)
まさかこんなごく普通の女子大生が現存する銃火器の大半を特徴まで含めて諳んじれる上に通信兵の真似事までできるミリオタだとは、誰も思うまい。俺だって実際その現場を見てなければ信じないだろうし、見た今でも信じ難い。
……とまあ、今現在俺の部屋には俺を含め四人の大人数が集まり、さらには俺以外は全員が女性という状況という、世間一般からすれば眉を顰められるような状況だ……が、まあ別にそれはなにもやましい理由やいかがわしい理由があるわけではない。
今日が。
「お待たせいたしました。ただいま戻りました」
「お、お邪魔しますねっ!」
「オイラも、お邪魔しますッス」
「ああ、靴は適当にいいそうだ。拙僧のは外によけてもかまわん」
俺たち全員では初となる、「オフ会」の開催日であるためだった。
◆
始まりは、ファー……友人の一言だった。
―――今度、東京に行く用事があるんスよ!
彼は関東圏の外にある実家住まいだ。SAO時代に仕事は家の手伝いだと言っていたが、詳しく聞けば畑仕事の手伝い……つまりは親の跡継ぎ様なのだそうだ。別にそこに特に思うところはないが、問題はそんな彼が東京に用事……まあ、遊びに来るということになったことだった。
当然、皆で集まらないかという話になる。
俺は残念ながら半……というか八割がた暇人ゲーマー(実際は仕事の一環なのだ。そう、仕事なのだ)と同じ生活リズムのため、強制参加。レミ、そしてGGO組の面々……ツカサ、ミオン、グリドースは世の中で最も自由な人種(と俺は認識している)の一種、大学生。ブロッサムさんは言わずもがな俺が参加するのなら当然ついてくる。果ては忙しいはずのモモカまでなんとか都合をつける始末。
結果、全員集合……八人という大人数となる。
どこで集まるか、という話になるが、まずモモカ……元と言えるほど昔ではない子役アイドルがいる以上、あまり目立つ場所に集まるのも微妙だ。となると、誰かの自宅。そして結論。「女子大生の一人暮らしなんて、見るもんじゃないよ?」のツカサの名言により、会場は俺の家に決定したのであった。
◆
「……にしてもねえ……」
「なにかおっしゃいましたか?」
「いえ、別に」
横に……そ
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