第14話 男の直球勝負!野球の華は大逆転
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ゴクアク組組長ことゴクアク星王は自分専用の椅子に座り、テーブルに大量に置かれた資料の束に目を通していた。鋭い目線がギラつき、次々と資料に目を通していく。やがて、全ての資料に目を通し終わり、ドサリと無造作に資料の束を机の上に置く。
【以上が、今回の上納金のリスト、並びに宇宙麻薬の売れ行き情報です】
【余り好調……とは言えないようだな】
先の資料の出来具合に些か不満な様子を見せている。ゴクアク組の勢力はそれこそ銀河系に相当する程までに及んでおり、その勢力内にて多額の上納金を要求し、それに応じられなければ身包みを剥いで行く事など日常茶飯事。更には星星にて宇宙麻薬を製法し、それを闇に売り捌くと言う悪行の数々を行ってきていたのだ。
だが、その結果に満足出来なかった様子だ。
【申し訳ありません。最近になって我等の勢力外へ逃亡する輩が後を経たず、更に宇宙麻薬に関してもですが、宇宙警察が辺りを嗅ぎまわっていまして今までの様に売買する訳にも参らないのです】
【ちゃんと上層部に賄賂を渡しているんじゃないのか?】
【それが、最近になってあいつらも味をしめたようでして、日に日に賄賂の額が上がってしまっているのです】
【ふん、肥えた鼠に成り下がったか。まぁ良い、そんな奴らの始末などどうとでも出来る。だが問題は―――】
一呼吸置き、ゴクアク星王はテーブルに設置されたボタンを押す。すると背後の壁がスライドし、其処から巨大なモニターが映し出された。そのモニターに映ったのは青く輝く星、地球であった。
【なんとしてもこの地球を手に入れねばならん。これだけの美しい星は宇宙中探し回ったとしても早々お目に掛かれる代物ではない。正に宝の山だ】
【全くです。それに、あの星で生成した宇宙麻薬はそれこそ飛ぶように売れたものですから、是非とも我等が抑えて置きたい星なのは重々承知で御座います】
【だが、その為には例のダイバンチョウとやらが邪魔だな。奴らをどうにか始末したいのだが、これ以上貴重な人員を裂く訳にはいかん。下手すると寝首を掛かれる恐れもある】
強大な勢力になればなるほど周囲で目を光らせている輩も少なくはない。少しでも弱体化の傾向が見られればそれを皮切りに足元から切り崩される恐れもあるからだ。
ゴクアク星王が懸念しているのは正にそれであった。如何に強大な組織と言えどもそうなれば立ち直るのは容易な事ではない。そうまでしてでもあの星は手に入れたいと思える程魅力的な星だったのだろう。
すると、話を聞いていた配下の宇宙人がこんな提案をしてきた。
【それでしたら組長。こんなのはどうでしょうか? 奴らの首に懸賞金を掛けると言うのは?】
【何?】
【多少高額な値をつければそれこそ宇宙中の猛者達が奴らを葬りに地球に集まる筈です】
【だが、懸賞金の額をどう工面するのだ?
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