第14話 男の直球勝負!野球の華は大逆転
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て大笑いしていた。
原因は勿論先の番の発言だったりする。
「それにしても何? あの焼肉とか宝○とか、焼肉はともかく番って宝○歌劇団ってそんなに好きだったっけ?」
「ちげぇよ。昨日の休みの時にヤクザ同士の草野球があってよ。それに助っ人で出て欲しいって話があって、その交換条件として俺が要求したんだよ。因みに宝○が見たいって言ったのは俺の弟の方だ」
「なる程ねぇ、真君は番と違ってお盛んだからねぇ」
「ったく、あいつは男の癖して可愛い子ちゃんには目がねぇからなぁ。兄貴として情けないったらねぇぜ」
額を抑えなが天に向かい嘆き悲しむ番。しかし、そんな番を横目でニヤリと笑みを浮かべながら美智は見ていた。
「どうかなぁ? 年頃の反応じゃないの。寧ろ17歳にもなって初心な番の方が男の恥なんじゃないのぉ?」
「な、何馬鹿な事言ってやがる! 男として生まれたからにゃ、男の意地を貫き通すのが俺のモットーなんだよ!」
「あっそ、それじゃ私の事は眼中にないって訳ね」
「あったり前だろうが! 男の生き様は喧嘩一筋でぃ!」
「それじゃ、今度の中間テストもその男の生き様ってので頑張ってね。私は手助けしてあげないから」
美智のその言葉を聞いた途端、番の胸に巨大な何かが突き刺さる音がした。中間テスト。番にとってどんなに強大な敵以上に手強い相手だ。
何しろ番の成績は赤点取れれば良い位に悪い。それに加えて勉強など全く出来ないのだから美智の手助けがなければ確実に危うい事になってしまう。
「す、すまん美智! 今度のテストもお前の力を貸してくれ!」
「あんれれぇ、女には興味ないんじゃなかったっけぇ?」
「美智さんは別であります! 貴方は他の女子とは違った存在なのです!」
「宜しい。次回のテストも私が補佐してあげようではないか」
「へへぇ、ありがたき幸せに御座います」
等と、二人して漫才じみたことをしつつ帰り道を歩く。やがて、二人の足は帰り道を歩くついでに先日番が草野球を行った野球場へと訪れてきていた。その野球場では現在小さな子供達が野球を楽しんでいた。
ヤクザ同士のそれとは違い皆仲良さそうに野球をしていた。背丈的に小学生高学年の面々が主だった。その光景を見て番と美智は笑みを浮かべていた。やはりヤクザ同士の一触即発な野球よりも子供達の無邪気な野球の方が見てて和めるものがある。
だが、その刹那だった。突如ピッチングマウンドに立っていたピッチャーが番目掛けて右手を振るってきたではないか。その際に右手に持っていた硬球が凄まじいスピードで飛んできた。
「え?」
「退け、美智!」
咄嗟に美智を自分の後ろに下げ、飛んできたボールを片手でキャッチした。そのキャッチした手を中心に番の全身に凄まじい衝撃が電気信号となって体中を駆け巡った。
(な、何て投球だ!
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