第14話 男の直球勝負!野球の華は大逆転
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歳の頃だ。その時偶々凶悪殺人犯を逮捕した駒木がボーナスを貰い、そのお陰で焼肉をたらふく食べる事が出来たのだ。
あの時の味を未だに忘れはしない両者。そんな二人のほころんだ顔を見て微笑んでいる母。何とも平和な日常であった。しかし、番達は気付かなかった。遠くから番を見つめる存在が居る事を。白の野球ユニフォームを身に纏い同じ色の野球帽を唾を後ろ向きにして被っていると言う服装をし、肩でバットを担いでいるその目線はギラギラと輝いていた。
普通の少年にも見えたが、彼から漂ってくる雰囲気は明らかに地球人のそれとは思えなかった。
「あれが噂のダイバンチョウか。噂通りの強さじゃねぇか。燃えてきたぜ! 見てろよダイバンチョウ、この俺がお前に挑戦してやるぜ!」
拳を握り締め、男は固く誓った。果たして、何の挑戦を挑むかは、後々に分かる気がした。
***
ヤクザ同士の草野球が終わってから翌日の事、番は学生の本文である学業に勤しんでいた。結局あの後、ヤクザ同士の乱闘騒ぎは警察の介入とかがあり有耶無耶に終わってしまった。しかし約束は約束。約束通り今週の日曜日の夕食は焼肉をたらふく食べながら宝○歌劇団を飽きる程見られる夢の様なひと時を過ごせるのだ。
正に至福の時間と言えた。当然、そんな至福なひとときを考えているのだからそれは断然顔に出てしまうのであり、自然と番の顔は普段の険しい顔から一辺してにやけてだらしない顔つきになってしまっていた。
そんな番の顔を見て回りではひそひそと小言が絶えず行われていた。
「おい、轟! 貴様俺の授業を真面目に受ける気があるのか?」
「は?」
そんな番に渇を入れるかの如く担任の雷が落ちたのだが、本人は何処吹く風としか受けていなかったようだ。
「あぁ、ばっちり聞いてましたよ。焼肉と宝○歌劇団についてはもうバッチリ―――」
言い終わるよりも前に番の額に指摘棒が投げつけられた。ガツンと痛そうな音と共に番の額には小さなたんこぶが出来上がり、足元に落ちた指摘棒は先の方が歪に折れ曲がってしまっていた。
「馬鹿野郎! 今は数学の時間だろうが! 何が焼肉と宝○だ!」
すっかりご立腹となってしまった先生。そして回りでは番の珍回答に腹を抱えて笑う生徒達で賑わっていた。そんな生徒達の中で番は少し気恥ずかしくなったのか頬を掻いて誤魔化そうとしたが、所詮は後の祭りでしかなかった。
「あっはっはっ、今日の番は本当に面白かったなぁ!」
「るせぇ! こっちは顔から火が出る程恥ずかしかったんだからよぉ!」
学業の時間も終わり、辺りでは下校する生徒達で賑わっていた頃、回りではこれから何をしようかとか話し合っている生徒達で一杯だった。
無論、その中には番と美智の姿もあり、そして美智は腹を抱え
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