第14話 男の直球勝負!野球の華は大逆転
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う事だろう。
そんなピッチャー星人の本気の一球が放たれた。轟音と共に凄まじい速度で球が向ってくる。最初の一球とはまるで比べ物にならない速度だった。
【なめるなぁ!】
それに対し、ダイバンチョウもまた同じようにバットを振るった。しかし、今度の球は先ほどの時みたいにカキンとは鳴らず、寧ろ鉄の棒がへしゃげて折れる音が聞こえてきた。打球は再度ピッチャー星人の前にポトリと落ちて止まる。その光景を目の当たりにしたピッチャー星人の顔にようやく曇りが見え始めた。
【どうやら、あんたは本当に噂通りの男みたいだな。俺の球を二回も打ち返すなんて正直自信を失くすぜ】
【へへっ、そう言うお前こそとんでもねぇ球を出してくるみたいだな。腕が痺れちまうぜ】
ダイバンチョウが両手をヒラヒラさせ、持っていた金属バットを放り捨てた。見れば、バットは根元から見事にもぎ取られており使い物にならなくなっていた。どうやら先の球を打った際の反動で千切れ飛んでしまったようだ。そんな訳で折れたバットの代わりとして取り出したのがダイバンチョウの代名詞でもある木刀ブレードだった。
【前はお前が俺を討ち取るって言ってたな。それじゃ今度は俺が返すぜ】
【何!?】
【俺は宣言する! 次に放つてめぇの稲妻をスタンドに叩き込む! それで俺の逆転勝利だ!】
【挑発のつもりか? 良いだろう、その挑発に乗ってやる! 今度もお前は、俺の稲妻に倒れるんだからなぁ!】
互いに啖呵を切りあい、そして最後の一球が放たれた。ピッチャー星人が放ったのは以前のそれと同じ、嫌、それ以上の軌道で動き回る稲妻であった。
速度、変則性、威力、どれも以前のとは比べ物にならない。それがダイバンチョウ目掛けて迫ってくる。だが、ダイバンチョウは、番は待っていた。稲妻の中にほんの一瞬だけ現れるチャンスを。
それを待っていた番は、ふと茜がやらせた滝を見入る特訓を思い出した。無数に流れる滝の水から一滴を見極める特訓。
それを思い出していたのだ。怒涛の勢いで流れ落ちる滝の水。その中から番は見つける事が出来た。たった一つだけ緩やかに落ちる水の一滴を―――
【見えた! 滝の一滴!】
番の声と共に全身に力を込める。木製の木刀の刀身に炎が纏われていき、その炎がやがてはダイバンチョウすらも包み込んで行った。
【燃えている。ダイバンチョウが……真っ赤に燃えているのか?】
【お前が稲妻を放つ天災ならば、俺は炎を放つ天災だ!】
烈火の如き炎を纏ったダイバンチョウのスイングとピッチャー星人の放った青い稲妻が互いに激突し、激しい衝撃と轟音を奏でる。辺りには火花が舞い散り振動が地面にヒビを作る。しかし、ダイバンチョウの本領は此処からであった。
【行くぜピッチャー星人! これが俺の、逆転サヨナラ満塁ホームラン打法だぁっ!】
豪語し
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