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銀河英雄伝説〜生まれ変わりのアレス〜
決戦4
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先回りした部隊がありそうだ。これから我々はその確認に向かう」
 その意味をバセットはすぐに理解した。

 教科書に出てきそうな敬礼を行うと、力強く了承を伝える。
 風が巻き起こった。
 積もった雪をまき散らして、上空を一機の爆撃機が横切った。

 敵陣に対して苛烈なまでの攻撃を仕掛けていたそれは、アレスの上空を慈しむように優しげに飛んでいく。
 まるで存在に気づいてもらいたいかかのごとく。
 痛む腕を小さくあげて、手をあげる。

 助かった。
 届く事はないが伝えた気持ちは果たして気付いたのか。
 爆撃機が器用にアレスの上空で旋回すれば、再び敵陣へと向かう。
 敵後方から火炎があがった。

 それを見届ける事なく、アレスはゆっくりと戦場を後にした。


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