自称王と他称王
一話
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。
故に人は彼らを修羅と呼び、その頂点を修羅王を呼んだ。
「修羅王……聞いた事無いわね」
「彼らの在り方はあまりに酷かったので、良く思わなかった人が歴史上から抹消したのかもしれません。彼らはあまり生き長らえるようにも思えませんので、その処理も戦乱の後ならば容易でしょう」
なるほど、とティアナは頷いた。
とりあえずアインハルトの言う事が真実と仮定して、次はその修羅王とアレクの関係だ。
フルネーム、アレク・N・アルヴァーク。ミドルネームがナアシュだとすれば血縁だと思っても不思議では無い。
アインハルトに訊くと頷いた。今迄は、との発言を付けて。更に今は確信があると言う。
「昨夜、彼は覇気を纏いました」
『ハキ?』
ノーヴェと揃って疑問を口にしたティアナだが、未だ押さえたままのアレクが身震いした事に気付く。
クロスミラージュに昨日受け取った映像を出させ、薄っすらと蒼い衣を纏っている所で止めた。
「これの事?」
「はい、そうです」
てっきり魔力光だと思っていたが、これが覇気というものらしい。
映像越しでは是非の判断を付け難いところではあるが、アインハルトの言い分にアレクの反応も加えると、割と真実味を帯びているように思える。
そこへ、黙って聞いていたノーヴェがポツリと言った。
「そういや、魔力放出した形跡も無かったな」
一気に真実味が増した、気がする。
「……答えてください。貴方はアレディ・ナアシュの血縁ですか」
真剣な顔で問うアインハルトに答えさせるべくティアナはアレクを解放する。
三人の視線が刺さるアレクは観念したように溜め息を吐き、目を強く閉じ、序でに無駄に胸を張って、明後日の方に見開いてから言った。
「知らん!!」
ティアナとノーヴェの冷たい視線が突き刺さる。
アレク自身も実際に関係は知らなかったりするので他に言いようが無かったりするのだが、別の意味で捉われても可笑しくない。アインハルトもまた、惚けたと受け取った。
「あ、貴方はまた……また惚けてっ!!」
グッと両拳を握り、立ち上がる。その表情は怒りにの他に、別の感情が渦巻いているように見えた。
だがこの後に及んでもアレクはアインハルトの顔は見ず、別の所を見ていた。序でに指も向けた、アインハルトの下腹部辺りに。
「お前、やっぱ痴女だろ」
現在のアインハルトの格好は、上半身はTシャツ、下半身は紐パン一枚で仁王立ち。そして、立ち上がる時ベッドに突いた手で、片方の紐が解けそうで……解けた。
「いやああああああああっ!!!!!!」
落ちた布を見たアインハルトは羞恥心が爆発し、露出部を押さえて座り込み、シーツを被った。暫くするとすすり泣く声が聞こえてきた
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