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深く、罪深い衝動
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かりゃあ・・・安心して逝け」


 そう言って、男が引き金を引こうとした瞬間。


 「やめてえええええええ!!」


 妻が男に飛びかかった。


 「な・・・テメー・・・!何のまねだりゃあ!?は・・・離せ・・・!離すんだりゃあ!!」


 「あぅ!?」


 男は妻を突き飛ばした。


 た・・・助けなくては・・・。


 だ・・・だが・・・体が動かねえ・・・。
 け・・・蹴られすぎたか・・・。


 畜生・・・。


 ここで、男を挑発するようなセリフを吐いて、こっちにひきつければいいものを、生憎と口の中に大量の血があって、ゴボゴボというような音しか出ない。
 それに・・・なんか息苦しい・・・。


 これは血がのどに入ったか・・・?
 ハハ・・・どういう蹴り方してんだよ・・・。


 「ハァ・・・ハァ・・・。ど・・・どいつもこいつも・・・俺の邪魔ばっかりしやがって・・・!こ・・・殺してやる・・・!」


 そして、男は妻に銃を向ける。


 や・・・やめてくれ・・・。


 お願いだ・・・それだけは・・・。


 「い・・・いや・・・」


 「へへへ・・・あんたが悪いんりゃあ・・・。あんたが俺の邪魔をするから・・・俺のはらわたは今そこらの火山なんて生ぬるいほどに煮えくりかえっているんだ・・・」



 やめ・・・ろぉ・・・。
 それ・・・だけは・・・。
 それだけはぁ・・・。


 「う・・・うぅぐぅ・・・」


 「テメーもだ!先ずはテメーからだりゃあ!」


 「イヤァアアアアア!その人だけは・・・私を好きにしていいからあ!!!」


 「うるせぇ!!テメーはそこで自分の夫が無様に死んでいくとこをみな・・・。ヘヘヘ・・・脳みそぶちまけんてやんぜぇ・・・!!」


 ああ・・・すまねえなあ・・・ロズミア、ルミア・・・。
 俺って・・・父親失格だ・・・。


 こんな・・・こんな涙を流すぐらいなら・・・体が動けるようになりてえよ・・・。
 それで・・・大事な・・・家族を守りてえよぉ・・・。



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