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ストライク・ザ・ブラッド 〜神なる名を持つ吸血鬼〜
戦王の使者篇
10.緋色の狩人
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れも矢という小さな物体へと。
大気を切り裂き飛ぶ矢は、神々の兵器を貫いた。それと同時に今まで閉じ込められていた雷撃と衝撃波が空中へと爆散し、女王ナラクヴェーラの装甲を砕き、コックピットを除いた全てが原型をとどめられないくらいに崩壊する。
それと同時に女王の停止で、周囲の小型ナラクヴェーラも沈黙する。
致命傷を与えた。
だが、これでも自己修復してこないとは限らない。
「──はははっ、戦争は楽しいな、剣巫!」
古城たちの頭上から、ガルドシュの声がした。獣人化し、破壊された女王ナラクヴェーラのコックピットから、血まみれの姿が現れる。
生身でも戦う気なのだろうか。ガルドシュは左手でナイフを引き抜いた。
雪菜は哀れむように見上げて首を振る。
「これは戦争ではありません。あなたはただの身勝手な犯罪者です。守るべき国も民も持たないあなたに、戦争を語る資格はないんです!」
雪菜の呟きに、ガルドシュの笑みが引きつった。
雄叫びを上げたガルドシュが雪菜へと突進。
雪菜は槍を構えず、わずかに身体をずらした。
風を裂いて飛来した矢が、ガルドシュの左肩を貫き、のけぞった。矢を放ったのは、紗矢華だ。
「──終わりだ、オッサンっ!」
がら空きになった脇腹を古城が殴りつける。
ガルドシュは、その場にくずれおちる。
「ぶち壊れてください、ナラクヴェーラ」
誰もいない操縦席に乗り込んだ雪菜が、浅葱が用意した音声ファイルを再生する。
それがこの戦いに終わりを告げた最後の音色だった。
「……これで文句ないな、ヴァトラー」
古城は、気怠そうに振り返りながら訊いた。青年貴族は、満足と言わんばかりに拍手しながら近づいてくる。
「ああ、もちろん。堪能させてもらったよ、古城、彩斗。これでしばらくは退屈せずに済みそうだ」
ヴァトラーは、黒死皇派の身柄を引き取らせてもらうと色々と身勝手なことを言って去っていく。
そして古城の戦いはこれからもう一度始まる。
「紗矢華さんの血を吸ったんですね、先輩」
雪菜が、古城を見上げて訊いている。
古城は、訊かれたくないことを訊かれて息を詰まらせる。
古城がちらっと彩斗の方を見て、助けを求めるが彩斗は助ける気などさらさらない。
「あ、うあ……いや、あれはなんというか」
「非常事態。そう非常事態だったの、雪菜」
古城と紗矢華が、二人並んで必死にこれまで起きたことを言い訳する。
「でも、よかったです。てっきり抵抗する紗矢華さんの血を、先輩が強引に吸ったなら怒ってますけど」
雪菜はちらりと彩斗を見る。古城のことを言いたいが雪菜はまだ、彩斗に血を吸わせたことを古城と紗矢華に言っ
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