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ストライク・ザ・ブラッド 〜神なる名を持つ吸血鬼〜
戦王の使者篇
10.緋色の狩人
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のまま、小首を傾げた。
「はい。なんですか?」
「え、と……どうしてここに?」
「監視役ですから。私が、先輩の」
表情を消したまま、雪菜は槍の穂先を古城に向けて、古城と紗矢華、そして爆炎から姿を現す緋色の
双角獣
(
バイコーン
)
を見比べる。
「新しい眷獣を掌握したんですね、先輩」
冷たい声の雪菜が訊いた。古城はぎくしゃくとうなずき、紗矢華と目を合わせる。
「あ、ああ。なぜか、いろいろあってこんなことに」
「そ、そう。不慮の事故というか、不可抗力的ななにかがあって」
紗矢華が目を伏せて、着ている古城のパーカーの襟を引っ張った。
「そうですか」
何か言いたげだったが、深いため息をつく。
「まぁ、その話はあとにして今はあのデカ物を片付けるぞ」
雪菜は、銀の槍をナラクヴェーラへ向け直す。
「あ、ああ」
古城がぎこちなく頷く。
雪菜は、もう一度短く息を吐き、巨大な古代兵器を睨んでいった。
「先輩、クリストフ・ガルドシュはあの女王ナラクヴェーラの中です」
「女王……指揮官機ってことか?」
古城の言葉が終わる前に、女王が再び、戦輪の一斉砲撃を放った。双角獣の咆吼がそれを撃ち落とす。
再び、爆炎に包まれる。
続けて四機の小型ナラクヴェーラが、真紅の閃光を乱射。
周囲を襲う光線を紗矢華と彩斗で撃ち落とす。
もはや、古城たちがいる
増設人工島
(
サブフロート
)
が限界をきている。
「ああくそ、どいつもこいつも無茶苦茶しやがって……!」
「お前が言うんじゃねぇよ、古城!」
光線を右手に纏われた魔力の塊で防ぎながら彩斗が口にする。
紗矢華が叫ぶ。
「暁古城。このままじゃジャリ貧だわ!」
「わかってる!──
疾く在れ
(
きやがれ
)
、“
獅子の黄金
(
レグルス・アウルム
)
”!」
古城がもう一体の眷獣を呼び出す。
雷光の獅子が、稲妻を撒き散らして、四機の古代兵器を一瞬で蹴散らす。
続けて指揮官機の巨体を海へと突き落とした。
沈降する指揮官機に、追加攻撃を加えようとする。
「だめです、先輩! あんな電力の塊を海水にぶつけたら──」
雪菜が古城を制止させる。
だが、そのときには雷光の獅子は海面に激突の寸前だった。
「──降臨しろ、“
海王の聖馬
(
ポセイドン・ユニコール
)
”!」
突如として響いた少年の叫び。
雷光の獅子が女王ナラクヴェーラへと激突する。
だが、水が巻き上がることはなかった。その代わりに巻き上がるのではなく空中に巨大な水の球体が出現したのだ。その大きさは、十三号
増設人工島
(
サブフロート
)
が小さく見えるほどだ。
こんなことが出来るのは、真祖の眷獣く
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