『小さな鋼』編
第四十三話
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よくもまあ、また回っていこう、と思ったもんだ。
なんで俺たちよりも体力があるのか・・・
「そうですか・・・なにか面白いものを持ってくるんでしょうか?」
「日本に厄介ごとを持ち込むなら、その前に俺に連絡を入れろ、とは言ってありますよ」
日本で起こされて、家族に何かあったら面倒すぎる。
アテなんて女神だから、神様関係に巻き込まれやすいし。俺は俺で神様をひきつけるから、普通のカンピオーネよりも神様との遭遇率が高いし・・・自分で言ってて、少し悲しくなってきた。
「では、今回は私がサポート役につかせてもらいますね。治癒などもお任せください」
「うん。サポートは嬉しいですけど、治癒は別にいいです。何があっても死にませんし」
「沈まぬ太陽でしたか。ですが、傷が治ることはないと聞きましたけど」
「俺自身の自然回復は一切残らず消えますね。ついでに言えば、俺自身の治癒の術は一切効きません」
と言うか、それ以前に突っ込んどくことがあるよな・・・
「それより、梅先輩は俺たちカンピオーネに治癒の術をかける方法を知っているのですか?」
「知っていますよ。キスでしょう?」
「なら、簡単に治癒の術をかけるとか言わない方が・・・」
ウチの家族もそうだけど、何でこうも軽い気持ちでやろうとするのか・・・
「ですが、今回は王のために動くのが私の使命です。それくらいのことは・・・」
「それくらい、じゃないですよ。梅先輩も綺麗な女性なんですから、それくらいは気をつけてください」
俺が呆れながらそういったら、梅先輩は顔を赤くした。
普段表情がないから、こんな反応をするのは意外だ・・・
「あ、えっと・・・」
「どうしました、梅先輩?」
「いえ、ですね・・・これまでに、そんな事を言われたことがなかったもので・・・」
「ないんですか?少し・・・いえ、かなり意外なんですけど・・・」
「そんなことはないですよ!私なんて、そんな可愛くも・・・」
「ああ・・・可愛いと言うふうに思うことも何度かありますけど、それよりは綺麗の方が強いんですよね。もしかしたら、それもあって話しかけづらかったのかもしれません」
そんなふうに、何てことのない会話をしていたら、先ほどの人たちの中から連絡があった。
なんでも、三輪山にいる可能性が高いらしい。
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