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少年と女神の物語
『小さな鋼』編
第四十三話
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その発言に、並んでいた人たちは皆そそくさと捜索に向かった。
 さすがに、俺がそこまで言って残る気にはならないのだろう。

「では、私達は私達で先にいくつか済ませてしまいましょう」
「何かあるんですか?」
「とりあえず、大阪50山を端から回っていきます」

 50っこも山を登れと!?

「あ、番外も含めて52こです」
「増えたよ、コノヤロウ・・・」
「スイマセン。でも、例の神が恐らく52の山のほとんどに一度向かったと思われますので」
「それは霊視か何かですか?」
「いえ、そうではありません」

 ならば、何故分かったのだろうか・・・

「ただ単に、その山のほとんどで神獣の目撃がありまして」
「なるほど、確かに一度向かったかもしれませんね」

 神獣か・・・そういえば、向こうでも二体くらい飛んできたんだよな・・・

「それって、どんなやつかわかります?」
「色々といるそうですよ。鳥獣や昆虫に模したものが多いようですけど」
「・・・それって、日本から出たりは・・・」
「二体ほど、何かにつられるように出て行ったそうです」

 ってことは、間違いないだろう。
 なんとなくで海外まできたと考えるよりは、俺が目当てで海外まできたと考えるのが得策か。

「はぁ・・・じゃあ、さっさと行きましょう。雷の一発でもぶつければ、それで終わるでしょうし」
「助かります。私達人間では、とても簡単には倒せませんし」

 そしてそれから、車と運転手を調達し、各山を登って一体ないし二体いた神獣を倒して回った。
 弱いし、基本見た目が気持ち悪いし、疲れるしでひたすら大変な単純作業の繰り返しは、本当に気がめいる。

「やはり、カンピオーネは異常ですね。あれだけの神獣を相手にして、傷一つ負わないとは」
「別に、そこまでのことじゃないですよ・・・俺たちからしてみれば、大した存在じゃないですし・・・なにより、コイツらは普通の神獣より弱いです。数をそろえた弊害なのか分かりませんけど」

 あのときにも感じたことだけど、この神獣は他の神獣よりも弱い。
 あの時は勘違いだろうと言うことで片付けたのだが、どうやらそれは間違いだったようだな。

「数が数でしたし、最悪一つ権能使い切るくらいは覚悟してたんですけどね・・・むしろ、権能すら使わずに終わりました」
「聖槍・・・ロンギヌスの槍だけで圧倒していましたからね」

 まあ、あれには狂気の女神の呪詛がこれでもか、と言うくらいに込められてるから、かなりのもんなんだけど。

「ところで、今回はそちらの妹さん、お姉さん方は来ないのですか?」
「多分、きませんよ。疲れたみたいで、皆寝ています」
「ご両親は?」
「また、世界中を回りに行きましたよ」

 あれだけ騒いだ後に
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