本戦
一回戦〜残り128人
二日目
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突然、無機質な電子音が鳴り響いた。どうやら、ポケットの端末から出ているようだ。取り出すと、画面に何やら文字が表示されている。
::2階掲示板にて、次の対戦者を発表する。
対戦者の発表。サーヴァントの言っていた、一騎打ちの相手を知らされる、という事なのだろうか。とにかく、2階掲示板の前へ行ってみよう。
端末からの指示に従い、掲示板の前へ来てみると、そこには見慣れない一枚の紙が張り出されていた。真っ白な紙に書かれているのは、二人の名前。一つは自分。そして、もう一つは――
マスター:間桐慎二
決戦場:一の月想海
「へぇ。まさか君が一回戦の相手とはね。この本戦にいるだけでも驚きだったけどねぇ。」
いつの間にか、隣には慎二の姿があった。
「けどまあ、それもアリかな。僕の友人に振り当てられていた以上、君も世界有数の魔術師ってことだもんな。格の違いは歴然だけど、楽しく友人やってたワケだし。一応、おめでとうと言っておくよ。―――そういえば、君、予選をギリギリで通過したんだって?どうせ、お情けで通してもらったんだろ?いいよねぇ凡俗は、いろいろハンデつけてもらえて。でも、本戦は実力の世界。勘違いしたままってのはよくないぜ?けど、ここの主催者も、なかなか見どころあるじゃあないか。いきなり盛り上げてくれるとはねぇ。そうだろう?嗚呼!いかに仮初の友情だったとはいえ、勝利のためには友をも手にかけなければならないとは!悲しいねぇ、なんと過酷な運命なんだろうか。主人公の定番とはいえ、こればかりは僕も心苦しいよ。」
慎二は陶酔した顔で叫ぶと、いつものにやついた顔に戻り、こちらの肩をぽん、と叩いた。
「ま、正々堂々と戦おうじゃないか。大丈夫、結構いい勝負になると思うぜ?君だって選ばれたマスターなんだから。それじゃあ、次に会うときは敵同士だ。僕らの友情に恥じないよう、いい戦いにしようじゃないか!」
………慎二と、そのサーヴァントと戦う。
幾度か頭の中で復唱してみるも、それは実感を伴わない、ただの言葉でしかない。
理由も、目的も思い出せぬままで、友人だった人間と殺し合う………?
悪い夢のようだ。慎二がこの状況に浮かれているならば、自分はこの状況にうなされている―――
夕方、端末から電子音が鳴り響いた。取り出して画面を見る。
::第一暗号鍵を生成
第一層にて取得されたし
第一暗号鍵………?
―――何のことだろうか?字面から察するに何かの鍵のようだが………
端末に表示される内容に関しては、言峰神父に聞いてみるのがいいだろう。ルールを聞く権利は、等しく与えられるといっていたは
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