第二話
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「失礼します」
シスターが訪れたのは、駒王町のはずれにある、廃れた教会だった。入室すると、現れたのは黒髪に高身長の女だった。
「あら、来たのね」
「ええ。まあ」
金髪の少女――アーシア・アルジェントは綺麗なお辞儀をして見せた。
「くつろげばいいわ。この辺りは好きに使いなさい」
「そうですか。それはそれは、ありがとうございます」
一見仲の良い会話に聞こえるのが、また恐ろしかった。ニコリ、と笑いあい互いに顔を背ける。背後でドアが閉まる音がした、あの堕天使は外に出たらしい。
アーシアはカバンをベットに投げ捨て、服を脱ぎに掛かる。純白の四肢に反するように、黒い下着をつけている。居得もせぬ色気があった。そのままベットに潜り込み、目を閉じる。
そっと一言。
「明日はイッセーに会いに行きましょうか、ね……」
◇◇◇□□□◇◇◇
「つまり、人間界で勝手に領土とか決めて小競り合いをしている、ということですか?」
一誠は言った。リアスのこめかみがピクリと動くが、事実を言ったまでだ、どうでもいい。
「ていうかそいつ馬鹿でしょ。その神器? を持ってるから俺を殺して、次の所有者がめっちゃ強かったらどうするつもりだったんでしょうね。たとえば半人半鬼とか」
一人思い当たる存在がいたが、それはどうでもいい。後回しだ。
「で、俺を悪魔にして転生させてどうするんです? 一応ききますよ」
「そうね。とりあえず見習いでもしてもらおうかしら」
勝手に雇用して給料0、とは。悪徳企業でも少しは出すだろうに。しかも仕事をする前提で話が進んでいるのが気に食わない。恩が出来たとか思っているんだったら、仇で返してやろうか。
「そうですか、例えばそれはどのような?」
「まずはチラシ配りかしら。そして契約といったところね」
「はあ…………」
どうでもいい。改めて考えれば学業とかどうするつもりだ。そんなチラシ配りとかしている暇はないだろう。
「まあ。今日は帰りなさい。小猫に送ってもらえばいいわ」
「…………」
当の小猫ちゃんとやらは、一心に羊羹を食べている。話は聞いているのか、あいつ。
「また明日よ。おやすみなさい」
一誠は溜息をついた。
◇◇◇□□□◇◇◇
オーフィスは、森に訪れていた。昨日、湖があったはずの場所だ。やはり、あれが原因とみて間違いないだろう。だが、その要因が分からない。それは、すこしむず痒い。
曹操らには、メンバーの確保に動いてもらっている。やはり人員は多ければ多いほどによいはずだ。裏切りの可能性は増える、が自分の相手をしようとするやからは、それほどいないのだ。それも微々たるもの
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