第二話
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えかねたような、痛々しい表情だった。
何と無く居た堪れなくなって、話の方向転換を図る。どこかしら目を泳がせ、アーシアの背にある剣に目をつけた。
「悪魔祓いって言ってたのも、嘘じゃなかったんだな」
「ええ、もちろんです。私は嘘はつきませんよ。」
だって、聖女ですから。
クスリと笑い、目を合わせる。おれもそれに応える。
しばらくそのまま見つめ合い、どちらともなく視線を前方に向けた。
「これは?」
「気付きましたか。流石ですね。人払いの結界です。恐らくあの鴉達でしょう」
「からす? ああ、堕天使のことか。また殺しに来たかな」
その言を聞いたアーシアは、静かに問いかける。
「ころしにきた?」
「まあな。昨日くらいに、な」
「なるほど。ならばーー」
ならば?
「私も殺すつもりでいきましょう、ね?」
するとびっくり。
突然アーシアの身体から黄金のオーラが立ち昇った。
ていうか眩しい。絶対これあれだろ、聖なる光ってやつ。あの女が言っていた悪魔にとって猛毒と同じとかなんとか。
だけど不思議と嫌悪感はなかった。
まるで何年も連れ添った伴侶のように……いや、まあアーシアとはいろいろやったけど。責任取らないといけないレベルのやつ。あんま怒ったりとかはなかったけど。あながち聖女っていうのも間違いではないのかもしれない。自分で言うのはどうかと思うが。
アーシアがオーラを噴出するのと同時に、光の矢が飛んできた。この間の堕天使が射ってきたものと同じ感覚を覚える。背筋が凍るような忌々しい傷み。
それを認識して、俺は後ろに飛び退く。
アーシアは背中の剣を抜き、そのままの勢いで振り抜いたーー
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