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NARUTO 桃風伝小話集
その7
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手に出会って浮かべるようになった満面の笑みだ。
綱手だけに向けられるその笑みは、綱手の弟の物にもよく似ていた。
髪の色はうずまき一族特有のクシナ譲りの赤い色なのに、どこかしら、ナルトの立ち居振る舞いはミナトの血を強く感じさせる。
綱手が惚れた男によく似た穏やかさを持っていたミナトによく似た、立ち居振る舞いだ。
平和を愛し、里の礎を築いた初代火影もそのような男だったと聞く。
そしてそれは綱手の心を強くを揺さぶる。
思えばクシナのうずまき一族も、元をたどれば千手の血を引いていた。
千手の血が色濃く出ていた綱手の弟に、ナルトが似るのも仕方ない事だったのかもしれない。

だが……。

「何ができるかワシにも分からん……。だが、できる限り、ワシがナルトから目は離さん。それくらいしか、ミナト達の為にワシがしてやれる事はないからのォ」

眠りについた綱手に向けて自来也が溢した言葉を、眠っている綱手が耳にする事は二度となかった。
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