その7
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子に掛けられた封印は、あの子にチャクラを練りにくくさせているだけで、九尾に対する封印という意味では全く意味がない!あの子は九尾と同調しすぎている!!」
その話を聞いて戦慄を覚えた自来也は、自分の知る事を綱手に打ち明けた。
「実はの、綱手。あの子供なんだがの。不完全ながらもお前の桜花掌に似た術と、螺旋丸を発動しよった。あの年での。聞いてみるとな、他にする事がなかったから、毎日チャクラを練って遊んでおったそうだ。テンゾウの話だと、その遊びはほぼ荒行と大差ない状態らしい。いやはや、子供の適応力というものは恐ろしいのォ。なまじ忍びとしての才能があったせいかもしれんがのォ。今の封印の処置が駄目だとすると、本当にもう、後がないのォ……」
自来也の話に息を呑んだ綱手は、押し殺した声で同じことを繰り返した。
「……だから、あの子の素性を里に公開させろと言ったんだ。そうすれば、嫌でも里人の見る目は変わる。少なくとも悪化はせん。そうすれば、あの子の心も解れるだろう。解れる事を祈りたい!でなければ、あの子を生かす道などない!!」
「お前の気持ちがようやく分かった。大分絶望的な状況じゃのう……」
ナルトは自来也の弟子だったミナトの子だ。
そして、『ナルト』と名付けたのはこの自来也なのだ。
お人好しのこの男が無関心でいられるはずもない。
それに、女が生まれるとは思っておらず、男の名しか用意していなかった事に呵責の念も感じているらしい。
そして綱手自身も、ナルトを気にかけるに足る理由を見つけてしまった。
もう、二度と、あの子のあの笑顔は見る事は出来ないと思っていたというのに。
沈鬱な響きの自来也の声に、綱手は溜息を吐いて応えた。
「ああ。正直、私にもどうすればいいのか分からない……。三代目の爺では役不足だ。あの子の観察眼を誤魔化しきれないだろう。事実、あの子は気付いているぞ。自分が爺に観察され、量られている事をな。火影としてそれが必要な事だから、あの子は爺の行動を黙認しているらしい。なぁ、自来也。私達はあの子をどうすればいい。こちらを見透かす子供を、ただの子供として扱い、接することがお前にできるか!?私には無理だ。あの子の事が恐ろしい……。それなのにあの子は私のこの迷いも見透かしたうえで、心からの敬意の目を向けてくる。それこそ、無垢な子供の瞳のままで……。いったい、この私に何をどうしろというんだ……」
卓に伏せたまま、ぶつぶつと呟いていた綱手は、酔いが回ったのかそのまま眠りについて行った。
その姿を見ながら、自来也はほろ苦い感想を持つ。
情の深い綱手には、ナルトはあまり相性の良くない相手だったのかもしれない。
顔立ちも、立ち振る舞いや雰囲気も、どちらかといえばミナトに似ている。
そして、一番良くミナトに似ているのは、綱
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