その7
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何も言えなくなった自来也は、無言を通す。
けれど、綱手の口から更なる懸念が漏らされた。
「だがな。あの子は医療忍者になる事は出来ない」
自来也は綱手の言に耳を疑った。
「何!?」
綱手に出会い、驚くほど明るい笑顔を振りまいて、大っぴらに医療忍者になると公言してはしゃいでいたナルトの姿が脳裏をよぎる。
木の葉の里で出会ってから二週間。
漸く自来也の前でも子供らしい姿を見せて、そしてなにより、人間らしい感情も見せ始めたというのに。
綱手に出会う前のナルトはまるでよくできた人形のようだった。
我儘もろくに言わず、言いつけをよく守り、与えられるものを淡々と受け取るだけだったナルトが、初めて自分から志した物が医療という分野だった事に自来也は安堵していた。
ミナトの跡を継ぐ気がないというのは残念だが、それも現状を考えれば致し方ない。
しかし、無表情で張り付けたような笑みで笑うナルトに、子供らしい笑顔を浮かべさせた夢を、自来也は好ましく思っていたのだ。
その道を志すというのならば、いつか、ナルトの為に目の前の知己に頭を下げてやろうとも心に決めかけていた。
それなのに、ナルトに劇的な変化をもたらしたナルトの夢いを叶える事はできないとの宣告に、自来也は知らず身を固くしていた。
「あの子のチャクラには九尾のチャクラが還元され、混じっている。今はその封印の上に更に封印を追加して、あの子自身がチャクラを操れないようにしているようだが、あの子のチャクラはあの子以外の人間にとっては身体を蝕む毒になりうる。九尾のチャクラなのだからな。確かに潜在的なチャクラ量を思えば、私以上の医療忍者になれる可能性もあるかもしれない。だが、それ以上に、あの子はあの子の患者となったものに死を齎す死神になってしまう可能性の方が高い。それをもしあの子が知ってしまったら。そうしたら、あの子は一体どうするのだろう!どんな判断をして、どう生きようとしていくのだろう!!私には、どうしても嫌な予感しか湧いてこない!!!!」
湯呑を叩きつけた卓に伏せて頭を抱える綱手に、自来也は息を呑んだ。
出会い頭に綱手から桜花掌を食らい、目覚めた自来也が見たものは、今までの子供らしくないほど取り澄ました姿とは一転、子供らしい羨望と憧れの眼差しで綱手を見上げ、纏いついているナルトの姿だった。
きらきらと好奇心に輝く瞳で綱手を慕い、ようやく子供らしい顔を見る事ができた、と安堵していたのだが。
だが、ここまで深く綱手が悲嘆するほど、よほど根深く、ナルトには里に対する害意が染みついているらしい。
何をどう声をかけていいのか分からず、自来也は沈黙する。
綱手の懸念の半分も、自来也にとっては実は分からない。
何か良くない気配は感じるのだが、ナルトの何が綱手をここまで追い詰
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