暁 〜小説投稿サイト〜
リリカルなのは〜優しき狂王〜
2ndA‘s編
第二話〜予想外の始まり〜
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以外の歩行者が消え、何が起こったのか混乱するが蒼月からの報告によりその疑問は即座に消える。

「魔力反応を検知。広域隔絶型の結界と断定。術式はベルカ」

 必要な情報を最低限伝えてくれる相棒に内心で感謝しつつ、ライは一先ず近くの物陰に隠れた。

(誘い込まれた?いや身を隠す時間があったからそれは無い。何かを逃さないように括った?可能性はあるが広域型の結界を張ったことに矛盾する。誰かを燻りだしている?だとすれば向こうは目標の正確な配置を把握していない)

 頭が冷静に状況を判断し、この結界を張った人物の意図を予測していく。
 それから数分後、この状況が続きやり過ごしたとしても現状で何の進展もないと判断し、ライは全体が見渡せるような場所に向かうために、頭の中でこの辺りの地図を広げた。
 周辺への警戒を保ちながら、ライは歩を進める。そしてたどり着いた先は中央に噴水がある開けた広場のような場所であった。
 一応姿を隠せるような場所に潜み、周囲の状況を探り始める。
 すると視界の端に何か断続的に光るものが見えたため、そちらに眼を向けるとどこか見覚えのある色が見えた。

「ピンクと赤の魔力光?」

 思わず口から溢れた言葉通り、桃色と赤色の二色の光の線が交差し、夜の中空に線を引いていく。

「あの飛び方って……」

 その光の動き方に見覚えがあるライであったが、どこかその自分の考えに違和感が生まれる。その説明のできない気持ち悪さを自分の中で結論づけようとしていると、今まで見ていた2つの光がこちらに向かって来ているのを確認する。

「!」

 思わず身体が動きそうになったが、隠れている意味がなくなるため、何とかその場に押し留まり状況を把握することに努める。
 2つの光の内、桃色の光の方が一足早く地上に降り立つと、それに向かって押しつぶすように赤色の光が着弾した。
 衝撃と渦巻く魔力の暴風で土煙が舞い、ライの視界を一瞬塞ぐがそれもすぐに晴れ2人の魔導師の姿を見ることとなった。

「は?」

 口から間抜けな声が漏れる。その声は響いて来る轟音にかき消され、言った本人の耳にすら届かなかった。
 その声を漏らした本人であるライは目の前で派手にぶつかり合っている2人に見覚えがありすぎて、思考が一瞬真っ白になってしまう。
 その内の1人は自分の認識と特に誤差はなかった為、別段驚くことはなかったのだがもう1人の方が問題であった。ライが知っているその人は自分と同じくらいの外見年齢をしていたはずなのに、そこにいたのは見た目小学生くらいの少女。
 しかもそのライが知っている2人はとても仲が良く、決して街中で決闘まがいのことをするような人物ではないと思っていた為、目の前で2人が激しく戦闘を行っていると言う現実に頭がついてきていな
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