2ndA‘s編
第二話〜予想外の始まり〜
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、ライにとって手堅く勝利できる勝負を行い、一定の資金を調達する。
もちろん、勝ち過ぎて角が立てば後々面倒なことになるのも知っていた為、ライは担保にしていた金のインゴットを敢えて返却してもらうことをせずにその店から出て行ったが。
ライからしても、今必要なのは即座に使える資金であって、換金できない金のインゴットは置物以上の価値がない為、その辺りを気にしたりはしなかった。
とにもかくにも、一定の資金が手元にできたライはまず服の購入から行っていった。入店前に学生服の上着を脱ぎ、ワイシャツと黒のスラックスと言う出で立ちで服を購入する姿はその店の店員にとっては奇怪に見えていたらしいが、そこそこ高価な服を購入することで深く追求されるのを避けた。
と言っても、買ったのは紺色のフード付きコートとマフラーで、それを上から着ただけではあるのだが。しかもマフラーに至っては、サイズを間違えて二人で一つを使う用の長いものであった為に蒼月の格納領域の肥やしになってしまった。
服装の問題を解決してから、適当なコンビニで食料を購入し今は都心部にあるベンチでそれを食し、一息ついていた。
ここまでの状態に持ってくるのは中々に時間が掛かっていたらしく、今はもう陽が陰り暗くなっている。それを認識すると、そこで初めてライも少し疲れを実感した。
ビル街・とあるビルの屋上
冬の時期、ビルの屋上という場所には基本的に人は寄り付かない。高所での空気の冷たさや風の強さがその原因の一つであろうが、今はそれに夜と言う時間の要素も含まれていた。
しかし、そんな中で一件のビルの屋上には、一人の人影があった。それはその時間帯に人がいることも異常と感じるが、それ以上にそこにいる人間の容姿が最もその風景の異物感を生み出していた。
その人物は見た目がまだ幼い少女であった。それも小学生低学年と言っても通じるような。彼女はビルの屋上の淵に腰掛け、手の平で浮かしているハンマーのキーホルダーとそのキーホルダーが映し出す球状のホログラフを見つめている。
そのホログラフは現代日本とはかけ離れた技術であり、そのキーホルダーは次元世界ではデバイスと判断される代物であった。
「魔力反応検知、近場に2つ。保有魔力のランクは不明、しかし高ランクの可能性大」
デバイスから機械音声が紡がれる。それに頷くこともせず、その少女は立ち上がる。彼女の動きは一つ一つが力強く、何かを心に秘めたような芯の強さを伺わせた。
「やるぞ、グラーフアイゼン」
静かに下された命令。それに呼応し、彼女の足元に三角形の赤き魔法陣が敷かれた。
海鳴市・繁華街
「囲われた?」
空気が変わる。それを視覚的にも感覚的にも実感したのはほぼ同時であった。
いきなり自分
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