第167話 運命の歯車
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ハルトの言葉に続くように、イレーネも口を開く。
ユ「えっ?」
ハルトとイレーネの言葉に、ユモは首を傾げる。
ハル「俺もイレーネも、海中の洞穴に加入してから改善したんだ。」
イ「大丈夫。私達は、「もうユモスを恨まない。傷つけない。殺さない。」そう誓ったの―――」
ユ「・・・・・」
ユモは言葉を失った。
ハル「信じなくても構わない。何しろ、一度『闇』に染まった人間の言う言葉だ。信じられないのは当然だ。」
イ「立場は逆になったわ。今度はユモス、あなたが私とハルトを恨み、傷つけ、殺す番よ。」
ハル「俺達が言いたいのは、それだけだ。」
ハルトとイレーネはユモに背を向けて歩き出そうとしたその時―――――
ユ「信じるよっ!!」
ハル&イ「!」
2人が驚いて振り返ると、大粒の嬉し涙を流しながらも笑顔のユモがいた。
ユ「ハルトもイレーネも、私の大切な友達だもん!恨む事も、傷つける事も、殺す事も・・・出来ないよっ!!」
ハル「(変わらないな、ユモスは・・・)」
イ「(どうして、あんなに・・・優しいの・・・・?)」
ハルトとイレーネはユモに小さく笑い掛けると再び背を向けて歩き出し、闇の中へと姿を消した。ユモは右手で涙を拭うと、空を見上げた。金色に光り輝く月の周りを、色とりどりに輝く数え切れないくらいの星がクロッカスの夜空で瞬いていた。
この時はまだ、誰も気づいていなかった――――――――――
6日後に、この街で起こる、予想も出来ない出来事の事を――――――――――
その出来事が、『絶望』、『憎しみ』、『闇』、『悪』、『恨み』、『残酷』、『悲惨』、『野望』、『欲望』、『死』の10拍子から成り立っている事を――――――――――
それと同時に――――――――――
運命の歯車が、逆回りしてしまった事を――――――――――
この時はまだ、誰も気づいていなかった――――――――――
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