第167話 運命の歯車
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とする事を―――――
リョ「おぅ。」
リョウは小さく返事をすると再び歩き出し、闇の中へと姿を消した。
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『夜のクロッカスの街の中で―――――』
コツ、コツ、コツと、シーンと静まり返ったクロッカスの街の通りに、靴の踵の音が大きく響く。それに重なるように、カツ、カッ、カツ、カッ、カツ、カッと2つの靴の踵の音が小さく響く。
ユ「もう出て来ても大丈夫だよ。」
ユモがワンピースの裾をひるがえしながら後ろを振り向く。だが、後ろには誰もいない。
ユ「大丈夫。グレイもいないから安心して出て来て。」
すると、建物の影から2つの靴の先がちらっと見える。
ユ「久しぶりだね――――――――――」
建物の影から2つの影が姿を現した。
ユ「ハルト。イレーネ。」
夜風でユモのワンピースの裾と、ハルトの黒髪、イレーネの薄紫色の長い髪の毛と、白いローブがなびく。
ハル「気づいてたのか・・・?」
ユ「うん。」
イ「いつ頃から・・・?」
ユ「酒場にいた時から。ハルトとイレーネったら、窓から覗いてるんだもん。」
ユモは笑顔で言う。だが、その笑顔は引き攣っていた。ユモは一度顔を伏せると、
ユ「私を・・・殺したいんだよ、ね・・・・?」
ハル&イ「!」
ユモに恨みのあるハルトとイレーネ。これまでに復讐する為ユモを殺そうとしたが、ハルトは全てグレイに邪魔され、イレーネは超魔法、ライジングシャイニーによって敗れた。
ユ「今は誰もいない。私を殺す、絶好の機会だよ。」
ユモは両手を広げた。そう。辺りには誰もいない。無防備な1人の少女を殺すのに対して、絶好の機会だ。だが、ハルトとイレーネは顔を伏せたままで何の動きも見せない。
ユ「2人共・・どうしたの?」
その2人の行為に疑惑を抱いたユモが首を傾げる。
ユ「さっきも言ったとおり、ここにはグレイも、他の妖精の尻尾の魔道士も、街の人達も、誰一人いない。私を殺」
ハル「違うんだ、ユモス。」
ユモの言葉を遮るようにハルトが口を開いた。
イ「私とハルトは、もう二度と、あなたにも、あなたの仲間にも手を出さない。」
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