第27話「麻帆良祭〜贈る言葉〜A」
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屋根から屋根へ。
飛ぶ。
飛ぶ。
飛ぶ。
「――見えた」
呟きと共に犯人を確認。
どうやって俺よりも早く到着したのか、ネギと裸拳で打ち合っている桜咲さんの姿も。
実力自体は彼女のほうが上のはずなのだが、ネギのことを気遣って武器を使っていない上に遠慮している。それに対して、ネギには一切の手加減がないのでどちらかといえばネギが優勢に見える。
遠慮する桜咲さんと遠慮無しに殴りかかるネギ。どちらが正気ではないのかなど一目瞭然だ。
つまり告白された人間はネギということになる。おそらく相手はここにいない宮崎さんだろう。
「やっぱり……か」
正直、彼でないことを願っていた。
余りにも迂闊な姿は見たくなかった。3−Aをしっかりと担任できている姿を見たかった。
経緯は偶然にも佐倉さんから聞いた。超さんがつかまりかけていた時のように『僕の生徒に手を出すな』的なノリだろう。
それは俺には持ち得ない美徳だが、欠点でもあり、だからこそ今回のようなことに発展しうる。
――ネギの責任は俺が持ちます。
昨日、学園長に言った言葉をフと思い出していた。
超さんという3−Aの生徒が魔法に関する違反をしたので、記憶を消去するために連れ去ろうとした魔法教師達からかばったネギは『僕が全ての責任をもちます』と言った。
超さんがなにかをしようとしていることは明らかだった。
彼女が具体的になにをしようとしているかはまだ何もわかっていないとはいえ、それが魔法協会に対しての明らかな違反が見られたときには、ネギがオコジョにされてしまう。
単なる刑事事件ですら、十分に起こりうる事柄を見逃せば不法行為とみなされ、罰せられたり注意されたりすることもある。それが秘匿厳守の魔法協会なら、尚更そういった類での罰は厳しいはずだ。
このままではネギがオコジョにされると断定してもあながち間違いではないだろう。
まだまだ子供でしかないネギの責任係として副担任という教職についた以上、ネギの代わりに責任の全てを受けるのは当然のこと。
オコジョになること自体はたいしたことではない。当然、恐怖もない。教師をやめることになるが、それもたいしたことではない。
だから、後悔はない。ただ、不安はある。
今現在、ネギが担任になったことで魔法を知ることになった生徒は約半数。このペースでいけば全員が知ることになってもおかしくはない。
特にネギはまだまだ子供で、魔法を知った生徒達中学生は戦場での恐ろしさも知らずに好奇心やら幼い正義感やらでネギのために何かをしようとするだろう。
それを拒絶することはきっとネギには出来ない。
それ
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