第27話「麻帆良祭〜贈る言葉〜A」
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をしようと襲い掛かる。
反撃に転じても簡単に返され、そして高音たちと同じく「風花 武装解除」で半裸にされてしまった。
構えをとかず、すり足で近寄るネギに遂に宮崎とアスナが諦めようとした時だった。
「……見学もここまでか」
残念そうな呟きが耳に届いたと同時。どこから現れたのか、気がつけば黒の男が姿を現していた。
「「「「「?」」」」」
目の前で突如、幽霊の如く現れたその姿に誰もが目を奪われる。
「大丈夫か?」
安否を気遣うはずの言葉は、あまりにも棒読みでむしろ聞き手によっては嫌味にすら聞こえてしまうような口調。
既に生徒達は夏服に身を包んでいるというのにもかかわらず暑苦しい長袖の詰襟の制服を着込み、短い黒髪、地味な顔。
「タケル先輩!?」
「ヤマト先生?」
「猛君!?」
「大和先生!?」
――各人が各名称で呼んでくれるおかげで、判別がわかりやすくて助かるな。
などと本気でどうでもいいことを頭の端に思い浮かべて、アスナ達を守るように立ち、さらにはいつもどおりののっぺりとした表情で、タケルはネギと向かい合う。
「せ、先輩!? ネギ、すごく強くなってて!!」
アスナがアタフタと伝えようとするが、タケルはそれを手で制止。そしておよそ彼らしからぬ優しい顔でアスナを見つめ、軽く、そっと、ただ一言。
「大丈夫」
「……へ」
呆然と、間の抜けた声が漏れていた。
再度、顔をネギに戻して、呼びかけるように呟いた。
「ネギ」
タケルの声にも一切反応を示さず、それどころか今にも襲い掛からんばかりの様子をしている。
「……邪魔物は排除します」
そして。
ネギが襲い掛かった。
八極拳の頂肘から始まり、止めることなき猛攻がタケルに降りかかる。
すっと修行に付き合ってきたタケルだが、こうやってタイマンでガチの殴り合いは初めて。そもそも殴り合いなどタケルの苦手分野でもある。
加えてネギは修行を始めて2ヶ月とはいえ、天才と称されるだけあってよく吸収している。
必然――
「む、ぐ」
数発がタケルの顎を捉え、蹴りが腹部を貫き、数Mの距離を吹っ飛ばされた。
――こうなる。
「せ……先輩?」
アスナの心配そうな声を耳に捉え、すっくと立ち上がる。
ダメージそのものはスーツの耐久性が勝っており皆無。だが、このまま殴り合っていても勝ち目はないことをタケル自身が薄々感じていた。
――それでも。
あと少しだけ。
腰を落とし、構える。
まだまだ速度も力もタケルの方が圧倒的に上だが、拳法の技がソレの優位性を認めない。いなし、かわし、巻き込み、確
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