第27話「麻帆良祭〜贈る言葉〜A」
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が、危ない。
生徒達が魔法を知ること自体に反対するわけではないが、不必要な危険に巻き込む可能性を大きくすることにはやはり不安を感じずにはいられない。
――む?
「生徒の心配……俺が?」
今までのように副担任として、ではなく一個人として。その自分への違和感に首を傾げつつも、どこかで納得している自分がいて。
「……悪くない」
かすかに呟き、意識を再度ネギへと向けた。
「……」
一つ手前の屋上で立ち止まる。
目の前で繰り広げられる桜咲さんとネギの動きはなかなかに見ごたえがある。
学園祭の期間は3日間。
今日がネギ達といられる最後の時間かもしれない。
突如一帯に光が広がり、「あ」という桜咲さんの声が響いた。
猫騙しのようなものだろう。初歩的だが、効果的な一手だ。事実、ネギは簡単に彼女の間合いから離れて標的である少女を追いかけていってしまった。
「ああっ、しまった!」
「なにやってんだよ姉さんーーっ」
桜咲さんとカモの声に、軽く笑ってしまう。
すぐにネギを追いかけだす彼女達を端目に見やりつつも、俺も追跡を再開する。
――そろそろ威力を抑えたXガンなら、大怪我する心配はないか?
そんなことを思いつつ。
刹那におとりを任せて逃げていたアスナと宮崎は行き止まりにぶちあたり、立ち往生していた。
「ええーーっ! 大人のキス!?」
アスナの声が驚愕の声が響く。
宮崎のどかがネギに伝えた言葉は『大人のキスをして欲しい』ということらしい。
彼女本人は告白したつもりはなく、ネギの魅力にやられて思わず口走ってしまったという程度のこと。まさかここまでコトが大きくなるとは思ってもみなかっただろう。
そして
「お待たせしました。宮崎さん」
問題の少年が現れた。
「ぎゃあネギ!? どどどどどするの、本屋ちゃん!?」
「いえそのあのっ……!」
予想以上の早いご到着に慌てふためくアスナと宮崎。その間にもネギがゆっくりとその歩を進める。
そのまま彼女達に手を伸ばしかけたその時、天から幾本もの魔法の矢が降り注いだ。呪文詠唱は聞こえなかったので無詠唱か、はたまたそれほどの遠距離から放ったのか。
ともかく、助けは現れた。
「こんなことだと思っていましたが……ミイラ取りがミイラとは情けないですよネギ先生」
高音と佐倉。
周囲には影のような覆面の黒装束の使い魔が10体程、彼女達を護衛するかのように控えている。これも高音の魔法だ。
彼女達が微妙に首をキョロキョロさせているのは先に駆けて行ったはずのタケルの姿を探しているのかもしれない。
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