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魔法少女リリカルなのは 〜黒衣の魔導剣士〜
As 08 「届かぬ想い、折れる刃」
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やての傍にいるのか、シグナムの代わりに蒐集を行っているのかもしれない。

「色々と考えることができたし、何より無理を言ったのはこっちだ」
「そうか……悪いが、できるだけ早く済ませたい。さっそく本題に入ってくれるか?」
「ああ……そっちの意に沿えるかは分からないけど」

 シグナムは疑問の表情を浮かべたが、俺はこれまでに分かった闇の書に関することを言い始めた。一通りのことを言い終わると、彼女から返事が返ってくる。

「膨大な情報の中から、よくこの短時間にそこまで調べたものだな」
「探索が得意な知り合いがいるんでね。主にそいつのおかげだよ……言った中に誤った情報は?」
「私も所詮は闇の書の一部に過ぎん。完全に把握しているわけではない……が、防衛プログラムが破損しているのは主の身体の状態から事実だ。管制プログラムも存在している」

 闇の書の情報が間違っていないとすると、俺の導き出した答えが正解である可能性が増したことになる。もちろん違う可能性はある。だがはやての未来がひとつしかない場合、彼女を笑って逝かせてやるには……。

「確認が終わったようなので問おう……主はやてを助ける術は見つかったのか?」
「……見つかったとも言えるし、見つかっていないとも言える」
「それはどういう意味だ?」
「闇の書が関わる事件は、完成後に関しては11年前と同じように暴走や破壊の記録しか残っていない。これから推測するに、真の主になるには防衛プログラムにも認められる必要があると俺は思う。だが防衛プログラムは破損している状態……」
「……つまり、防衛プログラムを修復しなければ完成しても主を助けることはできない。だが破損したプログラムを修復する手立ては見つかっていない、と言いたいんだな?」
「ああ……」

 助けるための方法は分かっているが、それを行うための方法が分かっていない。いや、分かっていないだけならまだ可能性はある。
 闇の書はデバイスではあるが、超高度文明の遺産《ロストロギア》だ。修復するにはその時代の技術が必要だろう。これまで何度も同じ事件が起こっていることから、現在の技術では何もできない状態と言ってもいいはずなのだから。

「…………なあシグナム、蒐集をやめてくれないか?」
「……その言葉の意味をお前は理解しているのだろうな? それは主に苦しめ、早く死ねと言っているのも同じことだぞ」

 これまでよりも低い声を発せられた言葉に背筋が寒くなった。こちらに向けられている視線も、最初の優しいものではなく刃のように鋭いものになっている。
 だが敵意を向けられることは覚悟の上だった。ここで口を閉じるわけにはいかない。

「分かってる……だけど、闇の書が完成しても現状では結果は同じである可能性が高い。蒐集してもはやての未来が確定す
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