第四十二話
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うと、父さんは驚いているようだった。
「珍しいな。普段なら、すぐに分かってるのに」
「アテと手合わせしてたからな。でも、今回はそんな暇もなかったし」
結構ばたばたしていたので、今回は権能について知る時間がなかった。
ま、いつか分かるだろ。
「で?あの辺りで控えてる人たちは誰?」
「ん?ああ、さっきの話にも出てきた魔術結社の人たちだ」
「めんどくさそうな・・・」
こっちに近づいてくる感じはない。だから、そこまで気にしなくてもよさそうだけど・・・
「ちょっと行ってくるよ、これ以上面倒になる前に」
「ん、分かった」
俺はそう言いながら上にTシャツを着て、なんか並んでいる人たちの元まで歩いていく。
「・・・初めまして、王よ。このたびは、神獣を倒していただき、ありがとうございました」
「いいよ、アレくらいなら気にしなくて。それよりも、一つ頼んでいいか?」
「なんでしょうか。我々としても、出来る限りの礼は尽くさせていただきます」
「んじゃ、早いとこここから離れてくれ。悪目立ちしすぎる・・・」
こんなに人が並んでいたらそりゃ目立つし、しかもここはプライベートビーチ。
先ほどまで避難させられていたこともあり、何事かと人が集まって仕方ない。
「これはこれは・・・家族水入らずの場に水を指してしまい、申し訳ありません、王よ」
「わかったら、とっとと行く」
俺が手を振りながらそう言うと、並んでいた人たちは結構な勢いで立ち去っていった。
めずらしいな・・・こっちの言うことを素直に聞くのって。
お礼をさせてくれ、ってうるさくなることが多いのに。
「はぁ・・・全く、何でこれくらいのことでこんな面倒なのか・・・」
「えっと・・・向こうからしたら、わざわざ王様の手を借りたことになるんだから・・・」
「あー・・・そうなのかもな。で、どうしたんだ桜?」
いつの間にか横にいた桜に、俺はそう尋ねた。
桜は家族の中で、一番気配を隠すのがうまい。気付いたらすぐそばにいることも、結構あるのだ。
「あ、みんなの水分がなくなっちゃったから、買いに行こうかな、って・・・」
「なるほど、な。手伝うよ」
「ありがとう、ムーにいちゃ」
◇◆◇◆◇
「はぁ・・・たのしかったぁ」
俺はそう言いながら体を伸ばした。
周りでは姉や妹が寝ているので、声は潜めている。
「っと、電話だ」
と、そんな事を考えていたら電話がかかってきたので、俺はポケットから取り出して出た。
「はい、もしもし」
『もしもし、武双君ですか?』
「あ、梅先輩。どうしました?」
電話の相手は会長・・・梅先輩だった。なんかあったのかな?
『いえ、ちょっ
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