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NARUTO 桃風伝小話集
その6
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「さて。もう一度お前の話を聞かせてもらおうか。お前は誰だ?何故医療忍者になりたがる?」

部屋の中で私に対面して腰を落ち着けた綱手さんは、改めて私に問いかけてきました。
真剣な表情がこの上なく素敵です。
思わず頬が赤らみます。

「はい!私はうずまきナルトといいます。医療忍者になりたいのは、私に九尾が封印されてるからです。このままだと、私、里の人達殺したくって仕方なくなっちゃうし、それにきっといつか我慢できなくなって手を出しちゃうことがあると思うんです。でも、できればそんな事したくないですけど、手が出ちゃったら大変な事になっちゃうので、うっかり怪我をさせちゃってもちゃんと治してあげられるようになっておきたいって、綱手さんにお会いした時に思ったんです!!!!」

私の言葉に綱手さんは眉をしかめて額に手を宛てはじめました。
頭が痛そうな表情で私に綱手さんは問いかけてきました。

「まず、状況を整理させてくれ。つまり、お前は木の葉の人柱力なのだな?」
「はい」
「何故それを知っている?」

真剣な表情で私に問いかけてくる綱手さんに、私は正直に答えました。
初めて出会う人にここまで正直に自分の事を話すのは初めてです。
でも、私にとっての死活問題が絡んでいるんです。
背に腹は代えられません。
ここが正念場です。

「信じてもらえるか分からないんですが、私、お母さんのお腹の中にいた時から、ずっと記憶があるんです。そして、だから周りの人が言ってる事とか、後は九喇嘛から教えてもらって、自分がなんなのか知りました」
「何!?お前、九尾と意思の疎通が図れるのか!?いつからだ!」

驚愕に目を見開かせる綱手さんに私は驚きましたが、それも仕方ないだろうなと諦めます。
だって、九尾って、木の葉の人達にとって最悪な存在ですしね。

「生まれた時からです」
「何だと!?」

素直に答えた私を見る綱手さんの瞳に、畏怖が浮かびます。
その瞳の光に、私はほんの少し胸が痛みました。
思わず視線を落とします。
慣れている目だけれど、ちょっと、堪えました。
ここに来るまで、自来也さんやお兄ちゃんが私をそんな目で見る事がなかったので、忘れかけてました。
でも、忘れちゃだめです。
私は化け物なんです。
九喇嘛をお腹に宿した、木の葉の里の化け物なんですよ。

一瞬とはいえ、生まれて初めて、いつか人を殺してしまうかもしれないという恐怖から解放されて、ちょっぴり浮かれてしまっていたようです。
こんな事じゃいけないと思います。

綱手さんの表情は、私をいつも通りの私に戻してくれました。
感謝しなくちゃいけないと思います。
真剣な表情で、真っ直ぐに綱手さんを見つめていると、綱手さんは険しい表情で私を見つめ始めました。


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