暁 〜小説投稿サイト〜
少年と女神の物語
第四十一話
[2/3]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
ねっ転がると、近くにいたアテにそういわれた。

「たまにはいいだろ。ただでさえ、ここ数年は殺し合いが多かったんだから・・・」
「確かに、たったの二年で何度も命の取り合いをしましたからね・・・」

 神との戦いに、カンピオーネとの戦い。そろそろ二年になるわけだが、その間に合計十五回。護堂との戦い以外では、何度も死にそうになったり、死んだりした。
 だからこそ、こういう日常的なことがすっごく幸せに感じる。

「それでも、少しくらいは海で遊んで来たらどうですか?午前中に遊んでから、ずっとここに座っていますよね?」
「そりゃ、今の今までお昼を食べてましたからね。・・・と、武双。あれってなんでしょう?」
「ん・・・?なんだ、ありゃ」

 アテが指す方からは、何かが飛んできていた。
 この辺には一般人も・・・あれ?いなくなってる。

「ああ、あれか。もうきたのか・・・意外と早かったな」
「どういうこと、父さん?」

 いつの間にか近くにいた父さんがどうつぶやいたので、俺は聞き返した。

「ああ、さっきこの辺の魔術組織から連絡があってな。神獣がこっちに向かってきているから、避難してくれ、だそうだ」
「おいおい・・・それなら、あっちで遊んでるみんなが危ないじゃねえか」
「いや、そうでもないだろ」

 はっきりと否定してきた父さんが、少し意外だった。

「どうして?」
「イヤ、ここにはアテも武双もいるわけだし。そろそろ見えてきたから、ささっと倒してきてくれ。もちろん、ゼウスの権能は使うなよ」
「ああ、なるほど。確かに、それなら深く気にしなくてもいいですね」

 あっさりと納得する二人の横で、俺も納得していた。
 確かに、それならこっちに来る前に倒しちまえばいいだけのことだ。そうと決まれば、早速行動。

「んじゃ、アテはこっちに残ってくれ。もしも、二体以上いたときが面倒だ」
「分かりました。武双は?」
「直接あっちにいってくる」

 俺はそう言いながら走り出し、神獣を見ても何にも気にしないで遊んでいる家族を見ながら、海の上を走る。
 初めてやるが、意外とどうにかなるものだ。

「っと、そろそろか・・・」

 俺は影の下に入った辺りで止まり、足を動かして浮いている状態を保つ。
 上を見上げれば、そこには先ほど見つけた神獣・・・何かの昆虫を模したと思われる、気持ち悪いのがいた。

「さて、どうしようか・・・とりあえず、頼んでもいいか?」
『ええ、構いませんよ主』
『やるならさっさとやってくれ。神獣語ときに時間をかけるな』

 頼もしい返事を返してくれた両腕の槍に頼み、さっさと飛んでもらって昆虫を落とす。

「これで終わり、と」

 そのまま浮いているところにロンギヌスを刺し、止
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ