GGO編
九十六話 力と速さ
[7/7]
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
だったが、なんとかその瞬間まで気づかずにいてくれてほっとした所だ。
「で、自己責任重視するタイプのお前なら少しでも自分で気付かなかった事気にしてくれると思ってた。ちなみに、そこのドア開けたのは俺な」
「え……」
それではまるで、此処から出て来る事が分かっていたかのように聞こえる。と、彼女が驚いて居ると。
「言ったろ?お前強気なタイプだからな。列車がずれてる事にさえ気づかなきゃ、集中砲火受けそうでも絶対そっから出て来ると思ってた訳だ」
「な……何よそれ……」
完全に自分の心理を突かれた事になる。と言うか……
「何でそんな……!」
言い変えると、随分と理解されている気がするのは気のせいだろうか……?
「ま、同じとこで長い時間仕事してお前の事見てりゃ、自然とお前の性格考え方云々は覚えるって。お前単純だし」
「なっ!?」
リョウの言葉に、闇風は顔を真っ赤にしてキャリコを向けようとする。ちなみにどちらの意味でかは敢えて言及しない。
「ぬぁっ!こら!動くな!撃つぞ!」
「ぬ……って言うか、撃てばいいでしょ!?何よこれ!さらし物!?」
今更ながら自分が負けた所をさらされている事に気づき、彼女は更に赤くなって地団太を踏み始めた。それを見ながら、リョウは苦笑して言う。
「あー、それなんだけどよ」
「何よ!?」
「いや……どうせなら、自分で降参してくんね?どーも女の体に弾丸ぶち込むってのは気が進まねーんだよ。な?」
「なっ……!?」
何と言うか、この男は無礼すぎると思う。
「こんの……!」
「うわっ!怒るなって!
再びキャリコを持ち上げようとした彼女を、リョウが必死に静止する。
しかしやがて、彼女は諦めたのか鼻を一度ふんっ。と鳴らし……
「本戦が今から楽しみね……!」
一言だけ言った。それを聞いて、リョウがニヤリと笑う。
「あぁ。俺もだ」
「むっ!」
やはり不遜な物言いに、一度だけ地面に足を叩きつけて……
「リザイン!!」
叩きつけるように、彼女は叫んだ。
試合時間 二十三分三十五秒
第三回バレット・オブ・バレッツ予選トーナメントEブロック決勝戦 終了
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ