GGO編
九十六話 力と速さ
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ると、当然それまでよりも強めの銃が現れるようになってきた。そしてそれらの銃の中には高い命中精度を誇る銃も多くあったのだが……そう言った銃は決まって、要求筋力値がことごとく高かったのだ。
当然、それまで多くのプレイヤーが選択してきたAGI型は最強の座から転げ落ちざるを得なくなった。しかしAGI型最強説を唱えていたゼクシードはと言うと、不思議な事に、何故かSTR─VTRのバランス型のビルドを取っていたのである。
根拠は無いが、恐らくは確信犯なのだろうなと闇風は考えていた。
闇風自身はこのゲームに来た当初、右も左も分からなかったためにとりあえず選択したAGI型の機動力にはまってしまい、極め続けた上にレアな超軽量短機関銃で今の相棒でも有る《キャリコM900A》を手に入れたため今でもトップレベル級の活躍が出来ているが、実際あの時のゼクシードの情報に誘導され、後で後悔したプレイヤーは多いだろう。
無論、他人の流した情報を安易に信じ、自身でよく考えて決定するべきビルドを他人任せに決めたプレイヤー達にも非はある。しかし、わざわざ他人を誘導して自身がトップに立つ状況を作り出した。ゼクシードの姿勢はとても尊敬できる物では無い。
リョウが同じことをするような人間であるとは勿論闇風とて思ってはいないが、しかしやはりあのレアな武装達を見ていると、どうしてもその事を思い出してしまう。
『……って、今こんなこと考えるとか、余裕かましてんじゃないわよ私!ッ!』
そう思い、十両ほど連なっていた車両を抜けて右に曲がった所に、そいつは居た。
────
リョウの腕の中に、巨大な銃が有った。
四角い箱から、煙突のように銃身が飛び出したフォルムの巨大な重機関銃。M2である。
このM2を手に入れたのは、実を言うとXM29を手に入れたのとほぼ同時……あの武器この奥にこれが有ったのだ。
恐らくは、ネタ武器だったのだろう。確かにこの銃は非常に高い火力を誇るが、対してその燃費の悪さと機動力の低さが半端ではない。
個人で持てば先ずそもそも歩けない(と言うか個人では普通は持てない)し、仮にセットになっている固定具を使って発射姿勢を取ったとしても個人戦では弱すぎるし、そもそも銃弾の一発一発の値段が高すぎて一戦ごとに吹っ飛ぶクレジットの量がとんでも無い事になる。
まぁ、それでも殆どの敵を一瞬で殲滅出来るあの火力は魅力的だが……
とりあえず、あの場所にこれは有った。試しに持ち上げてみると、案外持てる程度の重さであったため、そのままアイテムストレージへ。そしてフリックの所へ持って行った際に、MINIMIに付いて居るようなサイドグリップを付けてもらい、個人で携帯しつつ発砲できるようにカスタムしてもらったのだ。まぁ、フリックには散々「イカれてる(クレイジー)イカれて
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